18 ページ18
◇
「ルッチたちも呼びましょうね」
「げ」
「みんな怒ってないですよ、あの状況なら私もそうしましたから。」
Aの横顔は真剣そのもので、スパンダムは己のやった事ながら面食らったような顔をしてしまった。
しかしAは気にした様子もなく、月歩でゆっくりと地面へと降り立ち、スパンダムを地面へ下ろした。
「こちらです」
「…あぁ」
「ここからは私が背に乗せますから、きちんと掴まってください。」
Aがそう言ってメリメリと洋服から音を立て、その場にはスラリと美しい体をした白虎が現れた。
ほう、とスパンダムが人知れず息を吐いた。
相変わらず見惚れるほど美しい体つきと毛並みだ、そう考えていたのだ。Aは過去、スパンダムを背中に乗せた際「きれいだ」と褒められた言葉を忘れず今の今まで手入れを欠かさなかったのである。
「いいですね」
「お前さっきから疑問形にはしねぇな…」
「断る選択を選ぶほど、私の主人は馬鹿ではありませんからね。」
私だって知っています。とAがぐるり、と喉を鳴らしながらそういった。
スパンダムは数十年前から変わらないAの癖に呆れたような顔をして頷いた
「ちなみに私、副総監です」
「は！？」
「あなたはその夫です。それなりに優遇されますから安心してください」
Aはスパンダムを振り向くことなく言い切り、体を低くさせて速度を加速させた。
ぎゃあ！なんて叫ぶスパンダムは無視である。なんのために捕まるところをつけてると思ってるのだ
「は！？まさかルッチが総監か！？」
「よく分かりましたね？」
「大方お前が昇進を蹴ったんだろうが…ってちげぇ！それだと俺がこき使われるだろ！！？」
「大丈夫ですよ、そんなこと無いですから」
Aは淡々と話している。
「総監になると確かにやりたい放題ではあるんですが、その反面自主的な自由が効かないんです。それに天竜人の御用はゴメンですからね。」
「あぁ、…まあそれはそうか…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Strawberry(プロフ) - ムムさん» ありがとうございます！そうなんですめちゃくちゃにマイナーなんですよもうパンダの嫌われ具合無くせるようなくせ強夢主が居ればいいかなってルチ姉出来ました…更新頑張ります！ (2022年10月12日 7時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ムム(プロフ) - スパンダムは超嫌いだけどマイナーすぎるから逆に気になって読んでみたらすごい面白かったです…夢主ちゃんの愛が押し潰す勢いで重くて最高です！！！更新楽しみにしてます！！！ (2022年10月12日 5時) (レス) @page40 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Strawberry | 作成日時：2022年9月19日 15時
