帰還 ページ16
◇
「お久しぶりですね、元長官」
悪魔がそこに佇んでいた。
「……は、…？」
「ちゃんと待っていてくれたんですね、嬉しいです。」
どこから調達したんだが、新しいヒールを履いたAがこちらへとゆっくり歩き出した。
頭に巻かれた包帯は痛々しくて見ていられない、未だかつてこんなに怪我をしたこの女をスパンダムは見たことがなかった。
だからこそ恐れた、すべての責任をこの女を筆頭とするCP9の連中に押付けたからだ。
「少し、帰るのが遅くなりましたね」
「ヒッ…！な、なんでここに…！外にいた衛兵はどうした？！」
「あぁ、……さぁ？ルッチとカクに任せたので」
ひゅ、と喉が鳴った。あいつらまでここに来ているのか？相変わらずAはこちらへと進んでくる、殺される、殺される！！
そう思って両手を顔の前に出したところでAが歩みを止めた。
もう、悪魔の居場所は目と鼻の先だ。
「たっ、頼む！殺さないでくれ…！まだ死にたくない…ッ！！」
「殺す…？そんなことしませんよ、元長官」
にこり、と笑うAは昔から見てきたその笑顔だった。とは言っても駄々をこねるようにスパンダムに何かをねだる時の媚びた笑顔、であるが。
「ただ1つ、要求を飲んで頂きたくて。」
「っあ、あぁ！俺に出来ることなら何でもする！！だから「私と結婚してください」……は？」
Aの言葉にスパンダムが毒気を抜かれたような顔をしてAの顔を見つめた。
対するAは真剣な顔をしていて、嘘や冗談ではなさそうだった。
「……ぇ？」
「私と結婚してください、ダイヤの着いた指輪だってなんだって用意します。貴方の地位だって、居場所だって私が創ります。貴方が一生守れというのなら、私はそう生きます。」
「……は、？…それ、俺にデメリットあるか…？」
「…？私との結婚は絶対条件ですから、それでいいかと」
スパンダムは困惑していた。別にスパンダムはAを嫌い疎ましく思ったことは無い。むしろ幼い頃から忠実に己の命を聞き、強く、そしてその美貌を併せ持つAをむしろ好んですらいたのに。
つまりはAは己が嫌われていると思っているわけである。まぁエニエスロビーの一件を擦り付けられたともなればそう思うのも無理は無いのだろうが
「…俺、お前のこと嫌いじゃないぞ」
「……はい？」
「だから、デメリット0だって言ってんだよ。いいぜ、その条件飲んでやる。」
Aはぽかんとしてスパンダムを見ていた。元々CP9の他メンバーはこのことには絶対反対であった
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Strawberry(プロフ) - ムムさん» ありがとうございます！そうなんですめちゃくちゃにマイナーなんですよもうパンダの嫌われ具合無くせるようなくせ強夢主が居ればいいかなってルチ姉出来ました…更新頑張ります！ (2022年10月12日 7時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ムム(プロフ) - スパンダムは超嫌いだけどマイナーすぎるから逆に気になって読んでみたらすごい面白かったです…夢主ちゃんの愛が押し潰す勢いで重くて最高です！！！更新楽しみにしてます！！！ (2022年10月12日 5時) (レス) @page40 id: 24f0804e56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Strawberry | 作成日時：2022年9月19日 15時
