ご ページ31
「やめーや」
「ッ！！？」
一人の少女の声に、男は木元の首を掴む手の力を緩めた。それもそのはず、この声は中元組の一人娘、Aの声であったからだった。
木元の周りに群れていた男たちは動くことをやめ、Aの方を見た。
酷い殺気を感じたのか、一人の男が後退りをした。
「その人はAの認めた
「なに…っ！？」
「…あはは、いやいや、ようやってくれよったな……んで？」
Aはコツリコツリと大きな音を立てながら社長を掴む男の首をグキっと折り曲げ、そのまま気を飛ばさせた。
ぐにゃりと男の体が崩れ落ちる、Aは木元を優しく抱きとめ、太ももに巻き付けていたベルトから拳銃を取りだした
ガチャンと無機質な音が鳴る。
「これは一体どういうことや？Aの忠告は聞いとったはずやんな
最高幹部長
言い訳は聞かんで」
こちらへ銃を向ける黒髪の男は焦ったように歯ぎしりをした。Aは拳銃を向けられても尚冷たい目を男へ向けていた。
「な、何とは一体…？私はこの男が侵入していたので…」
「…あははっ！！ほんま嘘つくの得意やなぁあんた、その嘘でここまでのし上がったんやろ？Aはぜーんぶ知っとうよ♡
社長がんなことするわけないやろ、虚言もいい加減にせんとアカンな」
Aはそういって引き金に指をかける、対してAに睨まれた男は…まさに蛇に睨まれた蛙という言葉のとおり、手をガタガタと震わせた。
それは、彼女の銃の腕前は周知の事実であるからだった。
人並外れた運動神経をもつこの女はもちろん組からも恐れられていた、さらには敵の組からも。
「あんたは前じいちゃんのトコに潰された組のモンやな？？
アソコの組長は平伏したんに、ほーんま諦めの悪いやっちゃなあ」
「っ！黙れ！お前に俺の気持ちが…っ「わからんわ。
お前みたいにずる賢く生きてきた人間の卑劣な考えなんて」…なんだと！？」
「そうやろ、…なんや？社長がAのバリ大切な人ってわかってこれ実行したとや？…ははっ、Aも舐められたもんやなあ」
Aはそういってへらっと笑ったあと、拳銃の引き金を引いた。
前に立つ男の拳銃に弾を当て、手から落としもう拾えないであろうところまで吹き飛ばした。
「なにっ！？」
「……」
パンっ！と銃声が幾度となく鳴り響き、気づいた頃には全員の手から拳銃が消えていた。
Aは改めて残りの弾を最高幹部長と言われた男へ向けた
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作者名：Strawberry | 作成日時：2018年5月26日 21時
