【鬼滅の刃】もう1人鬼を連れた隊士、居るらしい Part4

番外編:ご都合血鬼術 ページ26

「元凶を殺したのならすぐ戻るはずなのですが…」



胡蝶は目の前にいる竈門炭治郎と継国巌勝、そして巌勝に抱き上げられたAに目を向ける
そう、何故か元凶の頚を取った後もAの体は戻らず幼少期のままなのだ





「ううぅ…よりいち、みちかつ…」



「姉上巌勝はここにいますよ」



「みちかつ…は………んううぅ」



Aは上を見上げて巌勝の顔を見つめる
その顔がどうも己と似ていて違和感を感じ巌勝の頬を掴んで潰す

炭治郎はその光景を見て微笑ましそうに見つめ胡蝶もかなり微笑ましそうに見つめた
Aはそんなことも知らず巌勝の頬を好きなだけ触り首を傾げた




「……みちかちゅ」




ぴたりと涙と手を止めてAは巌勝にそう呟いた
巌勝はぴゃっと目を見開き炭治郎と胡蝶も同じように目を見開いた




「……本当に仲良しですね」

「俺と禰豆子みたいだな！」





巌勝は満足気に微笑みAを力強く抱きしめる
Aも打って変わって上機嫌になり巌勝の背中にやんわりと手を回す。




「みちかちゅ、みちかつ」


「巌勝です……む、しかし姉上がこの歳の頃私たちはまだ生まれていないはずなんだが…」




「ご都合と言うやつですよ、全く。どの鬼もこいつもですよ」


結局その日は血鬼術の効果を消すことも出来ずに巌勝は外へ出る
炭治郎も任務へ駆り出されてしまったため遊び相手である禰豆子もここにはいない
Aは相変わらず上機嫌で巌勝の腕に抱かれている





「…お？まさかそいつはAかァ…？」



不死川実弥と対面した
玄弥の件もあり二人はかなり仲良くなっているためにやにやしながら巌勝へ近づく
巌勝は血鬼術にやられてな、と頷いた

実弥は子供の扱いになれている上Aは弟がいるという謎の安心感で全く泣かないため相性もいいらしい




「だあれ」


「俺は不死川実弥だァ、実弥って呼べ」


「ちゃ、ちゃね、ちゃねみ…」




まだしたが回りきらないAに実弥は悶えるように後ろを向いた




(なんだコイツ可愛いぞ……！？)



「ちゃねみ、ちゃねみ！」





「あぁちゃねみだなァ…」






実弥は後ろをふりかえってAの頭をひと撫でしてから踵を返す
最後にお前の姉貴最高に可愛いな。と変な笑顔を残して消えて行った





「当たり前だろう…」


巌勝はため息をついてまた歩みをすすめた

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