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集中治療室で眠るべっちゃんは
今はもう青白くない
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触れればちゃんと温かい
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それなのに、まるでべっちゃんはもうこの世に居ないような感覚を覚えた
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医師「奇跡的に命は助かりましたが……昏睡状態です。植物状態の可能性が高いです。」
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私を庇って植物状態になったべっちゃん
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心臓は動いているのに目を覚まさないべっちゃん
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『べっちゃんを助けてください……』
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私は、例え目を覚ますことがなくても
「延命」を選択した
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べっちゃんの入院手続きを済ませて1人で帰る私
べっちゃんの居ない家に帰る私
もうべっちゃんは、私を叱ってくれないし
愛の言葉を囁いて、唇を塞いで
あの綺麗な指で私の髪の毛をすくこともない
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付き合ってまだ2年なのに
べっちゃんと出会う前の自分の生活が思い出せなかった
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『べっちゃん……』
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彼の名前を口に出すのも苦しい
何かが込み上げてくるような圧迫感を感じる
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『ただいま』
返ってくるはず無いって気付いたのは言った直後
『あ……』
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いつもべっちゃんが私の帰りを待つことが多かったから、その生活習慣が身についてたんだ
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べっちゃんが居ないリビング
べっちゃんが寝っ転がらないソファ
べっちゃんが使うことのない箸
私は興味がないからべっちゃんの声でしか聴いたことのない少女時代のCD
出しっ放しにされた誰も握らないゲームコントローラー
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べっちゃんの居ない、私の隣
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、
BH 「なんで泣いてるの？！」
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涙の膜の向こうに、口をぽかんと開けたべっちゃんが見える
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幻覚にしてはリアルすぎて
一瞬胸がギュッとした
本物な気がしたから
あれだけ生きながらも眠るべっちゃんを見て、べっちゃんが"ここに居る"と感じられなかったのに
何故か今は感じたから
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べっちゃんが"目の前に居る"って
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ユウ(プロフ) - わんこさん» ありがとうございます！！これからもよろしくお願いします！！ (2017年9月7日 17時) (
レス) id: ff92f861f2 (このIDを非表示/違反報告)
わんこ(プロフ) - とても感動してます今 ← 更新するの待ってます！！(>_<) (2017年9月7日 17時) (レス) id: b83f0e914e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユウ
| 作成日時：2017年9月7日 5時
