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ゾワッと悪寒がした。威圧。紛れもなくあの日あの時から、私はこの人に恐怖を抱いている。


「ちげーよ。わざわざ出れねえから善意で待ってたんだろーが。てか俺と逆崎の話遮ってんなよ宮」


防音をしていたにも関わらずばれるということは、彼は魔力関知能力が高いのだろう。彼に限らず獣人はそういった能力が高いと聞く。


スッと私を庇うように自然も前に出た二口さん。宮さんはそれに顔を歪めて「なんや、お前もか」と低い声で言った。


「二口もその劣等生に絆されてるくちか?好きやなあ、皆。どこがええねん、そいつの。顔か?体か?それとも弱い奴は可愛ええんか?」


「お前こそなんでそこまで逆崎んこと嫌うの?わっかんねー。こんなにいい子なのに」


「ええ子?角名の魔法にかかって人殺そうとしたソイツが?正気か、二口」


「向けられる敵意に反抗することの何が悪いんだよ」


「過剰防衛や。理解できひんわ。聖臣君も、治も、お前も。俺は嫌いやねん。誰にも興味ないような顔して、何もかも諦めたような顔して、うっすい笑顔浮かべる劣等生が。そのくせ戦ってる時のソイツは生きるのに必死。きしょいねん」


多分宮さんの言っていることは間違いなんかじゃない。彼の目にうつる私は、今彼が口にしたまんまなのだ。


「嫌いでいいです、別に。貴方の目にうつる私がどうであれ、私は半端な覚悟でこの学園に来てません。というか関係ない二口さんにまで八つ当たりすんのやめてくれますか」


今度は私が二口さんの前に出る。「はあ?」と宮さんは思いっきり顔を歪めた。


「いいこぶりっこか?そうやって聖臣君や治にも取り入ったんか」


「いちいち人聞きが悪いんですよ。いい子ぶりっこ?上等ですね。争い事は嫌いです、貴方と違って」


グッと彼の拳が握られる。殴られるな、と瞬時に理解して腕を防御に回すも、彼の手が飛んで来る前に二口さんが彼の手首を押さえた。


「いくらなんでも女に手だすのは最低だろ」


宮さんはチッと小さく舌打ちをする。


「あー、もうええわ。すまんな、二口」


彼は大きなため息をついて勢いよく準備室の扉を閉めた。バタン!とそれは大きな音をたてる。


「……はーっ。あの人怖い」


そう大きく息をはくと、二口さんは苦笑した。

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R(プロフ) - めっちゃおもろいです…更新、待ってます🙇‍♀️ (2月25日 1時) (レス) @page35 id: a38d8c3d1f (このIDを非表示/違反報告)
ワグマン - パロ系あんまり好きじゃなかったんですけどこの話読んでめっちゃ好きになってしまいました!!更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年8月4日 21時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - すっごく面白くて一気読みしてしまいました…!ダークな雰囲気が根底にある設定大好きなのとバトルシーンもワクワクします。もう本当にツボです…!笑 これからも応援しています(o^^o) (2020年6月5日 9時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 咲夜さん» コメントありがとうございます!気ままな更新ですがどうぞお付き合いください(*^^*) (2020年4月29日 13時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(* >ω<)。更新頑張ってください。続きが読みたいです(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年4月29日 13時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2020年3月13日 15時

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