少女は死を渇望す2【ハイキュー!!】

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「がんばれ……」


純粋な応援の言葉だった。皮肉もあわれみも感じない、言葉通りの。


「……はあー」


青城以外の人にそう言ってもらえるのは新鮮で、その言葉に気の効いたことは言えなかったけれど、次彼に会うときお礼を言えばいい。


「がんばろ」


グッと拳を握って、深く息を吸う。


「逆崎ー。お前刀使えるか？」


「え、あー。使えます」


武器術の授業。場所は訓練室で、銃を使う人のための的だったり、訓練用のゴーレムなどがある。担当は烏養先生。孫の方の。


「おし。じゃー今日は逆崎と、宮。お前銃使えるよな」


「ハンドガンすか？」


「おう」


「まあ、使えんことはないですけど」


武器術は先輩が多いし、なんなら全体の人数が少ない。近接格闘術も人数が少ないけれど、それよりもっと。


ここは魔法に力をいれている学校であるし、選択してとる授業数にも限りがあるから、よっぽどの理由がない限りこういった物理攻撃の授業はとらないのだ。


私みたいな魔法攻撃手段がない人だったり、攻撃系の魔法と相性が悪い人だったりが主である。


それでも自主的に学ぶ人が多いから、やはり授業にとってまでという人はいない。松川さんや花巻さんなんかはそっち側の人。


「よろしくお願いします」


「……おん」


今日の相手は宮治。私に攻撃的じゃない方の双子の片割れ。かといって友好的という訳でもないけれど。


染み付いた宮侑さんへの苦手意識から、似ている顔の彼へ対応も少しだけぎこちなくなる。


「んじゃ移動な。2番ブース行け。他の奴らはモニターで観戦」


「分かりました」


2番ブースに向かって歩く。私の数歩後ろを、宮さんがゆっくり歩いていた。何気に彼とペアなのは初めてである。


「ツムと角名がすまんな。俺もきつくゆーとくわ」


「え？」


驚いて振り向いた。「？どないしたん」と彼は小首をかしげて、何故私が驚いているのか分からないらしい。


「彼らと私の間に何があったか知ってるんですか？」


「知っとるもなにも、アイツらが逆崎に何したかくらい分かるわ。角名はともかく、ツムは分かりやすく嫌っとるからな、逆崎のこと。二人ともうちの主将にこってりしばかれとったから、逆崎も許したって」


「宮治さんは私のこと嫌わないんですね」


「治でええよ。別に嫌う理由あらへんやろ。初めて話したんやし」


「……わ、涙でそう」


「俺が泣かしたみたいなるやん」


「やめてや」と彼は笑った。

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