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「無茶苦茶でしたね」
そう苦笑すると「本当ね」と及川さんが呆れたように同意した。
開始と同時に会場全体を包んだ青白い膜。誰一人それに動揺する訳でもなく、皆が皆「あーあ」といった風に苦笑していた。
松川さん一人を除いて。
青葉城西所属、3年松川一静。「よろしく」と顔合わせの時に差し出された大きな手と、特徴的な眉。そしてあの青白い膜はそんな彼の魔法だった。
指定範囲の魔力無効化。
運ゲーと言わずなんと言おう。魔法が使えない状況で、ほとんどの人間は自分の直感を頼りゲームが進んだ。
結局人狼の勝利で終わり、及川さん、黒尾さん、そんでもって松川さんまで人狼側だった。
負けた悔しさもほとんどない。ただ、私以外も魔法が使えないという状況は新鮮で、顔合わせの頃やっと気づいた青城での存在意義を再確認した。
その後は普通の交流会で、分析魔法を使う菅原さん(及川さんの言う爽やか君)や白鳥沢の五色君(所属決めで地面ボコボコにしてた人)ともお話でき、苦い思い出にはならなかった。
「ま、思ったよりAちゃんが楽しそうでよかったけどさ」
「及川さんは初めの頃より随分と私に優しいですね」
「仲間だしねー。それに、Aちゃんは頑張ってここに来た子でしょ。単純に頑張る子は好きだよ、俺」
「頑張る……」
あまりにも綺麗すぎる言葉。それに似合うほどの努力の先はひどく残酷であるのに。
「3週間後のレビュー戦、信じてるよ、Aちゃん」
1年生だけで行われるレビュー戦。敵ではなく味方として向けられる彼の笑顔に動揺した。
その期待に答えられるだけの実力と結果を、果たして死を目指す私が彼に見せてあげられるだろうか。「ええ」
「……勿論、勝ちますよ」
強がりでも、言わせてくれ。
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます！賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です！とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます！長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年12月4日 17時
