17（非公開でした） ページ20
「盛り上がってるかお前ら！ヘイヘイヘーイ！」
キィイインッと突如大きな音が響き渡る。「わ！」と思わず声をあげて肩を揺らす私の隣で「あぁあ。だからぼっくんにやらせたくなかったのに」と及川さんがぼやいた。
爛々とした目。堂々としたたたずまいでマイクを握る壇上の彼に目を向け、「どちら様で？」と両隣の彼らに問いかける。
「副会長、木兎光太郎だ。3年で、んでもってこの学園じゃトップクラスの実力者」
「及川さんとならどちらが上ですか？」
「あー、個人だとどうなんだろうな。チームならわりと順位変動がどこでも激しいから、はっきりとした力量はわかんねえな」
「へえ」
納得したように呟くと「なんでクロちゃんが説明するのさ」と及川さんが口を尖らせた。確かに、と同意しておく。
「さてさてさてえ？今年もこの場を借りて1つゲームをしようと思う！」
「辞退ってのはありですか？」
隣の及川さんを見上げる。「ん〜」と彼は苦笑して私の頭を撫でた。
「駄目☆」
「ま、ですよね」
思わず首に手をやって深く息を吐き出しす。
「まあまあ。逆崎が思ってるようなゲームじゃねーよ、多分。余興みたいなもんだ」
この学園に入学してからそんな生ぬるいものがあっただろうか。答えは否。そもそもここの生徒は求められている基準が一般の学園とは比にならない。
彼らの言う余興は間違いなく優秀な彼らの基準で、少なくとも私の基準ではないのだ。
「今年行うゲームは……デンッ！人狼ゲーム！」
またも音割れ。キィイインとした副会長の声を耳に響かせるまいと今度は初めから軽く耳を塞いでおいた。
「ほれみろ。普通のゲームだろ」
「いやあ、この人数で人狼ゲームはもはや普通じゃあないです」
1、2、3年の生徒が全員揃った大きな交流会だ。といっても入学した当時、これよりはるかに多かった同期は、今じゃあ半分以上減っている。
ほんの少しの間に随分人が減ったのは、多分所属決めで所属できなかった人達が潰れていったから。その中でも根気強い人達は自ら作ったチームでやっていっている人もいる。この違いはきっとこの学園への認識の甘さの違いだ。
「どんな魔法を使ってもいい！大いにいい！ただ一日の制限時間は6分！その後はすぐ投票だ！」
「ろっ！？」
たったの6分。
「人狼と市民の数は4:6ランダムで決める！しかし人狼全員で一日で食べる事のできる人間は10人！処刑できるのも10人だ！」
さあ！目を閉じろ！──
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます！賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です！とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます！長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年12月4日 17時
