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「あっははははっ！オイカー君容赦ねー！」
ケラケラ。そう笑うのは観戦席から二人の模擬戦を観戦している黒尾だった。
及川と同じくAを欲しがった音駒のリーダー。音駒もAの予想通り青葉城西と同じサポート系、ではなく。生憎Aの予想から外れたバチバチの魔法攻撃チームである。
「わざわざこんなにギャラリー集めて能力開示させるために模擬戦とか、本当趣味悪いよね」
膝を抱えて孤爪が言う。「ほんとなー」と他人事のように同意する黒尾に「クロも加担してるでしょ」と孤爪が眉を寄せた。
「だってそりゃあなあ？昨日の乱闘だけ見てたら烏野が欲しがらないわけないだろ、あんなピッタリな子。ただ菅原君が何か見たんなら納得できる」
「憑き人だったりして」イタズラっぽく黒尾が言った。
「……さあね」
孤爪は膝に顔を埋める。慌ただしい爆発音が観戦している生徒達の興奮をあおいだ。
「生徒会長さんはそれしか使わないんですか！」
「まっさかあー。だって大体の相手がこれで手も足もでないんだから、他の使わなくても良くない？」
「んは、正論すぎっ」
煽るような声と余裕のない声。押されているのは間違いなくAだったが、それでも両者無傷の今の状態は変わらない。
ボコボコに昨日の惨状から元通りになっていたはずの地面が再びえぐれていた。
「黒尾さんこんにちはー」
「あれ、二口ー」
ヒラヒラと片手を振り現れたのは伊達のメンバーである。「茂庭君、なんであの子欲しがったの？」ニコニコ両者とも食えない笑みを浮かべながら、黒尾はフィールド上で逃げ回るAを指して言った。
ドカッと二口は孤爪とは反対側の黒尾の隣に腰をおろす。「攻撃力が欲しいんですって」
「てっきりあの子と組んでたセンター分けのシールド使いの子をとると思ったけど」
「あれ、青城の唾つきっすよ。だから競争率低そうなかわいい子ににたのに」
この様、と二口を不満気に肩をすくめた。「考えることは同じってか」と黒尾は笑う。
「優秀な奴は大体が中学からの持ち上がりで所属決定しているような奴ばっかだし。っと」
「？どうしたんすか」
突然目を見開き固まった黒尾に目を向けて二口はこてんと首を横にたおす。
「おー。見ろよ二口」
あの子今オイカー君に一撃いれたぞ──
ありえない、と言いたげに黒尾は頬をひきつらせた。
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます！賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です！とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます！長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年12月4日 17時
