〔文スト〕無表情系女子は転生者

じゅうのつぎはじゅういち？ ページ12

やっぱり見えてるか…
まあ名探偵だもんねぇ
さて、私はどう動こうかな


『……』


時期的には敦くんと与謝野さんが
梶井さんと鏡花ちゃんに出会うくらい…
…先にあの人に話をしておこう。



『こんにちは、坂口さん』


ということで異能特務課へ。


坂口「…Aさんでしたか」


『隈が酷い、何徹目ですか…』


坂口「未だ4徹目ですよ」


『未だ、ですか…』


相変わらずだなこの人…


坂口「で、何の用ですか？」


世間話をしに来た訳では無いでしょう？と
一切こっちに目線を寄越さない坂口さん
此れでもそれなりに付き合い長いんだが？？
…まあいいか、今はそれよりも…


『色々と対策を。』


坂口「対策？何のです？」


『1つの判断を間違えば、此処ヨコハマが
火の海…そうはならずとも、犠牲が出る
…近々組合が攻めてきます。』


坂口「それは…」


『武装探偵社の新人、中島敦。
彼に懸賞金を掛けた組織が組合です
…次に狙われるのは、探偵社そのもの。』


原作ではそれなりの被害が出たけど
結果はヨコハマの勝利。
…それでも念には念をいれなければ。


坂口「何故探偵社が狙われるんです…？」


『"異能開業許可証"』


坂口「！」


『…組合との衝突は免れない…。
衝突の最中に、恐らく太宰くんから
貴方に話が来る、聞いてあげて下さい。』


坂口「太宰君が…ですか、」


『…恨まれるのは、私も一緒。』


坂口「…それはっ、」


『過去は、変えられない。
今を守るしか無い…未来の為に。』


全部分かっていた。
それなのに私はあの時鴎外医師から
依頼を受けて間接的とは言え"彼"を殺めた
3人をバラバラにしてしまった


『恨まれるのなら…そっちの方がいい。
辛いのは、全てを知っていて…
判った上で優しくされる事、でしょ？』


坂口「Aさん…」


『兎に角、後は宜しくお願いします。
皆、願うのは同じ事ですから』


坂口「…分かりました」


『"他者を守る為の嘘で自分が傷付くのなら
其れは最早嘘じゃない。自己犠牲だ。
自分さえも欺いてこそ、嘘となる"』


坂口「"潰れる位なら協力者を作れ

使えるものを使え"でしたね」
『ああなる前にぶっ壊す冪だったかしら…
"安吾くん"、無理しちゃ駄目よ？』


坂口「分かっていますよ、"東雲幹部補佐"」


『…巫山戯られるなら、未だ大丈夫ですね』


坂口「相変わらず切り替えが早いですね」


『唯の小娘ですけどね』


そう、私は唯の小娘だから。

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