家に帰っただけなのに ページ19
夜の街を歩く
『さぁて…之から如何しようかな』
之から先私の出番はあるのか否か。
元々私という存在は無い此の世界で
私はどうやって生きていけば良いのだろう
「お、Aじゃねェか」
『あら…中也さん…お仕事終わりですか?』
中原「まァな…手前は?」
『なぁに…一寸した散歩ですよ』
中原「そうか」
『ねぇ中也さん』
中原「なンだ?」
『若し私が突然居なくなったら如何しますか?
其れも…誰の記憶にも残っていなかったら。』
之は唯の興味本位だ。
本来いた私の世界では私はもう居ない
否別の私が生きているのかもしれない
ほら、パラレルワールドみたいな?
其れは其れで悲しいけどね。
中原「動揺はするだろうが其れだけだな」
『其れもまた悲しいですね』
中原「そういう仕事だからな」
其れじゃあ誰も…私の事探してくれないんだな。
私の事少しでも知っていれば別だろうけど
私はこの世界の人間では無いのだから。
『あ、芥川くんに伝言お願いしたいんですけど』
中原「なンだ?」
『無理するなって伝えておいて下さい』
先刻言えなかったからね
まあ面と向かって言える状況でも無かったし。
失礼しますとこの場を離れようとした時
ギュッと腕を掴まれ掴んだ主は真面目な顔をしている
『なんですか中也さん』
中原「手前何を隠してる」
『何も隠してないですよ…?』
中原「隠してるだろ」
『不安なんですよ死ぬのがこの上なく。
私が死んだ事に誰も気づかない…
誰の記憶にも残らなかったらって考えちゃって。』
この世界では…否、どの世界でもきっと
生と死は隣り合わせだ。
私が元の世界で突然死んだのと同じように…。
中原「手前を守ってくれる奴は沢山いる」
『どうでしょうね…?』
中原「なら俺が守ってやるよ」
『若し私が窮地に陥ったら…お願いしますね』
パッと手が離れたうちに私は歩き出す
中也さんはやっぱり優しい人だ。
部下の為に涙し相手を思いやる…そんな人。
『さっ、帰ろう。』
そう言えば今頃敦くんの家に鏡花ちゃんがいるのか
何なら私の家でも良いのになぁ…
明日聞いてみようかな。
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アオイ - とても面白かったです!私も書きたくなりました(^^) (2020年5月21日 16時) (レス) id: 64807526c9 (このIDを非表示/違反報告)
アニメだいすき - とても面白いです! 更新、待ってます! (2019年11月7日 22時) (レス) id: 1f85cc6e30 (このIDを非表示/違反報告)
Raise”レイズ”(プロフ) - 怪盗MOONさん» さり気なく言う感じが中也さんらしいですよね! (2019年10月30日 20時) (レス) id: 12189493d1 (このIDを非表示/違反報告)
Raise”レイズ”(プロフ) - こーちゃんさん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月30日 20時) (レス) id: 12189493d1 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - えーと、あ、恋愛かぁ!さすがは中原さん!(by,“捕まっただけなのに”) (2019年10月22日 22時) (レス) id: 14d8ac7f3d (このIDを非表示/違反報告)
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