20℃ ページ21
〜佐藤side〜
『流司…、』
「ん?」
『……ありがとう』
「いーえ」
『……そういうとこ、好き。』
「俺は全部好きだよ」
『……私も。』
「じゃあ俺達恋人だね」
そう言って笑えばAは驚きの顔を見せる
『……私でいいの…?』
「もーAがいいの!」
『そっか』
「Aは嫌?」
『ううん…流司がいい。』
やっと…やっと手に入った。
俺だけのお姫サマ。
「あれだけ飲んだけど飲み足りないな…
どっかで飲もーよ。…良いでしょ?」
『良いけど…うちで飲む?』
おつまみ作るよと言われて嬉しくなる
俺だけのために…なんてね。
「またお泊まりかー」
『なんでそうなるの』
「駄目…?」
『駄目じゃ…ない』
「決まりだね」
表情をコロコロ変える彼女はやっぱり可愛い。
『流司』
少し前を歩いていた俺の服の裾を掴むA
どうしたのと聞けば黙ってしまう
『その……手、繋ぎたい』
今は周りに誰もいないから…
周りを気にしながらも俺と手を繋ぎたいと言う
ほんっと…可愛すぎるよ
「可愛い……いいよ、繋ご」
『可愛いは余計。』
「だって本当だよ」
『うるさい……嫌なの?』
首をコテンと傾げるA。あざとい。
でもあざといなんて言ったら怒るだろうから
繋いでいない方の手で頭を撫でる
『ん……流司に撫でられるの、好き』
「はぁ……あのね、俺だって男なの。」
『ふふっ知ってる』
「じゃあもうそういう事は言わないの」
『……理性が保てないって…?』
暗くても分かるいたずらっ子みたいな笑み
あぁ…何か適わなそう
『ふふっじょーだん』
「はぁ……後で覚えてろよ?」
耳元でそう言うと肩をびくっと揺らすA
「もしかして耳弱い?笑」
『っ……!!知らないっ!!』
ほら着いたよ!!と可愛く怒るA
良かった…俺だけのものになって
『ん……?』
「どうした?」
『手紙が入ってる……えっと…母様…?』
手紙を持ちながら器用に鍵を開けて
俺を中に入れてくれるA
二日連続でお泊まりかーなんて。
『…あ、肉じゃがあるよ』
「お、ほんと?」
『夜遅いだろうと思って作っておいたの』
「偶然?」
『偶然。』
肉じゃがの入った容器をレンジに入れて温めている間
手紙の封を開けるAを後ろから覗く
『水族館のチケットが二枚……?』
手紙には彼氏さんと、と書かれていた
何で分かるんだろう…?
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