13℃ ページ14
『ん……、』
あれ…寝てた…?
ぼんやりと考えながら起き上がろうとする
でもそれは叶わなくて。
『?……りゅ、!』
駄目だ、起こしちゃう。
寝ぼけた頭で考えて声を出すのをやめる
後数センチというところにいる流司
正直照れない訳が無い。頭パンクしそう。
『どうしよう……、』
目の前の流司は気持ち良さそうに眠っている
起こすのが忍びないくらいに。
せめて背中向けられないかな、恥ずかしい。
だって好きなんだもん。しょうがないじゃん。
頑張って起きるか。色々しんどいし。
とか思ってたらぎゅってされた。
『流司ー?』
「ん……、」
腕を解こうとしたその時。
「……どこいくの」
『!!……起きてたの…?』
「ここにいて」
待って、答えになってない。
『でももう朝だよ』
「いーの、ここにいて」
もうこれ以上は私の心臓がもたない。
どうしようか……あ、
『…せっかく朝ごはん作ってあげようと思ったのに』
「……ほんと?」
『ほんと。…まあ簡単な物しか作れないけど…』
「……おきる」
あぁ…単純。
なんか会話が恋人だけど付き合ってないからね。
起きた流司を見ながらそんな事を考える
「おはよ」
『おはよう流司』
「寝顔、可愛かったよ」
『!?………、』
「ははっ笑、顔真っ赤」
『流司のせい。』
「そうだねー俺のせい」
流司は私をからかうのが上手い。
誰にでもそうしてるのかな……なんて。
「朝ごはん何作るの」
『何食べたい…?』
「んーAの作るもの」
『またそうやって…なんでもいいの?』
「うん、なんでもいい」
なら最初からそう言ってよと言うと笑われた
でも憎めないんだよね…好きだから。
流司に顔を洗いに行かせその間に料理を作る
まあトースト焼いてハムエッグ作るだけだけどね
『はい、お待たせ』
「美味そう」
『完全に手抜きなのは許してね』
「大丈夫だよ」
二人で向かい合って手を合わせる
そろって頂きますと口に出せばそれはもう食べる合図
「美味い」
『そう?良かった』
「俺今度肉じゃが食べたい」
『ふふっまた今度ね』
色々話しながら朝ごはんを済ませて
稽古とは別に仕事がある流司を送り出す
『じゃあまた午後ね』
「ん、またね」
手を振る後ろ姿さえかっこいいと思えるのは
多分私が溺れているからだろうな。
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