10℃ ページ11
〜佐藤side〜
今のAはどこか折れてしまいそう
だから優しく抱き締めた
大丈夫だと言っても信じて貰えない
ならどうするか……、
『皆離れていくんだ……だから、』
「俺は、俺や怜愛ちゃんは離れたりしない」
『怜愛には全部話してないもん』
「それは俺も…?」
『流司は……』
「話せとは言わない。でも傍にいさせて?」
怜愛ちゃんはAの傍にいてあげてと言った
なら俺に出来る事は傍にいてあげる事だと思うから
『……こんな私でも、傍にいてくれるの…?』
「うん、傍にいるよ」
『……ありがとう』
俺の腕の中にいるAの身体が震え始める
……泣いてる…?
『怖かった暗くて…皆がいなくなる気がした
また私は一人になっちゃうんだって思った』
「大丈夫…大丈夫だよ」
『うん…っ』
完璧だと言われる彼女でも怖いものがあるんだな…
演技じゃない涙を流す彼女を落ち着かせながら
ふとそんな事を考える
「…落ち着いた?」
『ん、ありがと』
「じゃあ戻ろっか」
『うん』
会話のないままスタジオに戻ると
怜愛ちゃんが寄ってきた
怜愛「A…大丈夫?」
『うん、もう大丈夫』
怜愛「良かったぁ!!」
怜愛ちゃんに抱き締められたAは嬉しそうな顔で
怜愛ちゃんの背中に腕を回す
羨ましいな、なんて。
『ふぅ……皆さんご迷惑お掛けしました。
私はもう大丈夫ですのでご安心下さい。
今後遅れは取りません…よろしくお願いします』
ちゃんとスタッフさんに報告する辺り真面目だ。
こういう所が慕われる理由なのかな…?
怜愛「A一人で帰れる…?」
『帰れるよ?』
怜愛「でも倒れたら嫌だし…」
「なら俺が送ってくよ」
『そんな、悪いよ』
「言ったでしょ?傍にいさせてって」
そう言うとAは渋々分かったと返事をした
黒羽「怜愛仕事?」
怜愛「そうだよー疲れちゃう」
『…落ち着いたらパーティしようか』
怜愛「!!やる!」
黒羽「あまり甘やかさなくていいんだよ?」
『そんな、大切な仲間ですから』
仕事に行く怜愛ちゃんと俺とAは外に出る
『お疲れ様』
怜愛「おつかれ!!佐藤くんお願いします!」
「任せておいて」
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