【男性声優】偏り声優 (ページ14)

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先延ばしの約束ページ14

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木村「あ、きた」

『遅れてごめんなさい！』

木村「大丈夫だよラジオ長引いてたの？」

『ラジオ終わって活動の話を少し…』

木村「そっか、いくよ」

『はい！』

前々から飲みに行こうと誘い誘われ続け
やっと良平さんと飲みに来た

木村「A何飲む？？」

「えーっと…梅酒ロックで」

木村「お酒弱いんだっけ…？」

『普通…だと思いますけどどうですかね』

良平さんは４つ歳上で年齢的にも業界的にも
私の先輩にあたるけど堅苦しくなくて
先輩と言うよりお兄さんという感じ

木村「…で、何があったの？」

『何があった…と言うと？』

周りをよく見るお兄さんだからこそ
こうやって色々なものに気付いてくれる
…気付かないで欲しいことも。

木村「あの日無理してたでしょ」

ほらね？そうやって気づく。
黙ってたいんだけどなぁ…

『あの日？？』

木村「とぼけても無駄だよ」

『あははごめんなさい
別に無理してた訳じゃないですよ？？
ただあの日は疲れてただけです』

木村「疲れてたからナンパしてきた子達睨んでたの?違うでしょ?」

睨んでた…？無意識か…それはしょうがないよ
私もそこまで成り下がってるけど

『…ああいうの見るのは嫌いなの』

話せば楽になると言うけどそれでも私は
腐った家族の事も断ち切れない仕事の事も
社長とマネ以外誰にも話すつもりは無い

『誰でも抱えるものの1つや2つありますから』

木村「お前は、」

『話すつもりはありませんよ。
話した所で過去が変わる訳じゃないから』

過去が変わるとしてもこの事は話したくない
誰かに触れさせるものじゃないから。

『…心配してくれてありがとうございます
でも…私は平気ですよ？？ライブも終わって
仕事だって普通に出来てて充実してるから』

普通の仕事がしたいって口にしてるけど
この業界じゃ仕事が来ただけでありがたい
だから定期的に仕事が来てるだけでいい

『…ファンあってこその仕事ですから』

アニメに出るのだってアニメや漫画のファン
シチュエーションCDだって私のファンが
どんな仕事でもファンがいなきゃいけない

『たとえキャラ人気であってもいいんです
結局応援してくれてる事には変わらない
それがきっかけで私を知ってくれるなら』

真面目な話をしたから空気感が張り詰めて
それに耐えられなくなって笑い出す

『私って幸せですよねー笑』

昔じゃ思えなかった今だからこそ思える事。