【王宮パロ】スノーフレークは咲き誇る【浦.島.坂.田.船】 (ページ9)

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You. side

｢主は左が弱いんやから、常に注意を払って！｣

『…っ、はい！』

｢もっと腰下げて！じゃないと弾き飛ばされるで！｣

私は右から突き出された剣をギリギリで避け、相手の首元を目掛けて力強く剣を振り落とす。

しかしその動きが読まれていたのか、私の振り落とした剣は相手に当たることなく無様に地面へと打ち付けられた。

私は次にくる攻撃に備え、直ぐに体制を取り直す。

しかしその刹那、私の首元には剣が突き出されていた。

｢フィニッシュ｣

『っ…』

志麻は剣を下ろし、｢今回はよく持った方やで｣と私の頭を撫でてきた。

後ろで見ていたうらたたちも賞賛の言葉を投げてくれるが、私にとってそれは苦の他なかったのだ。

…また、勝てなかった。

一国の王女として、側近に剣で勝てなくてどうする。
…護ってもらうばかりでは嫌なのだ。

お兄様だって、剣術には優れているというのに…。

『…志麻、もう1回──』

｢と、その前に。一回休憩や｣

私の再戦の言葉を遮って、志麻はそう言った。

ふと壁にかけられてある時計を見てみると、稽古を始めてから既に1時間が経過しており、それほど稽古に集中していたのかと改めて思い知った。

部屋の中だからといって水分補給を欠かすわけにはいかないと思い、私は志麻の言葉に素直に従ってうらた達の元へと戻った。

｢主、俺ら今から少し抜けるけど、絶対に無理はしたらあかんで？｣

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