【王宮パロ】スノーフレークは咲き誇る【浦.島.坂.田.船】 (ページ3)

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赤い絨毯の上を歩く2人の足音が、静かなこの空間に小さく木霊する。

ここは王宮の一番奥にある棟なので、滅多に人は通らない。たまに城のものが清掃をしに来るくらいなので、とても落ち着ける空間なのだ。

『…うらたの手って、温かいのね』

｢布越しでも伝わってくるもんなの？それ、｣

うらたは、自分が身に着けている白色の手袋を軽く動かして私にみせてきた。
手の甲には金色の紋章が付いており、うらたはそれを肌身離さず付けている。

…なんでも、それが誇りなんだとか。

すると、その時。
私たちの前から、小さな足音が聞こえてきた。

城のものにしては大きすぎる歩幅、態度、…覇気。
私だって一国の王女だ。足音だけでもそれぐらいはわかる。

…勿論、うらたも。

うらたはあの方(・・・)の姿を目視すると、私の手を優しく払って膝をついた。

｢このような場で会うとはな、A。何をしている｣

『お父様…』

スフォリア王国の国王。
アレンダ・スエルテ・スフォリアこと、お父様は、私の隣に膝をついてるうらたには目もくれず、ただ真っ直ぐに私の瞳を捉えていた。

『…少しだけ、読書を。インセフォルについての書物を読んでおりました』

｢それは実に良き行いだな。この地についての知恵をつけるのは悪いことではない｣

『ありがとうございます。…お父様は、どのような御用事で此方へ？』

｢あぁ。私も少し、書斎へ用があってな｣

｢また夕食の時に会おう｣と言って、お父様は私たちの横を通り過ぎていった。

｢…私達も早く向かいましょうか。主(あるじ)｣

いつもの(・・・・)口調に戻り、再び私の手をとったうらたは、優しく微笑みながら足を進めた。

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