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十三 ページ13

貴方side








"ガラガラ"






母「Aっ起きてっ!!逃げなきゃっ!!!」






戸が開く音と同時に母の叫び声で目を覚ました。




真夜中、私は妹と寝てしまっていたらしい。




A「なに、なんなのっ」




酷く強ばった母の顔に少し動揺する。




母「早くっ!!!」



強く腕を引っ張られたが、

一度振りほどいて

妹を抱きかかえてから家を飛び出した。





寒い。





少し積もった雪に足を取られながら


必死に母のあとを追った。




A「ねぇっ!なんなのいきなりっ!?」


母「鬼っ…!鬼がっ…!」


A「…っ、酔ってんのか知らないけど、何時だと思って……」


A「…っ!!」





鬼。




鬼だ。





小さい男の子が今にも食べられそうになっている。




周りにはこの子の親だろうか




血だらけの人達が横たわっていた。




声も出ない程死にそうな顔の男の子。






A「……なんなのっ…!?」

A「…早く逃げなきゃっ…」




鋭い爪を大きく振りかざした鬼。


その瞬間




A「…っ!お母さんっ!!」





ダッと走り出したお母さんは




男の子を庇うように覆いかぶさった。







白い雪の上に



血が飛び散る。






A「……おか、、さん…」





ドサっと倒れ込んだ母




その隙に男の子は逃げ出した。






母「…早く…逃げてっ…」





.









.









.






.








.



母「…愛、し、、てる……」








いつもの微笑んだ顔のまま




母は動かなくなった。






ギョロっとこちらを向いた鬼。





私は逃げた。








死ぬ程走った。









.









.









.









ふと足を止めると





辺り一面、藤の花に囲まれていた。






立ち止まると色々な事が頭に浮かんだ。



あぁ。





これからどうしようか。




どう生きていこうか。




いっそ私も鬼にやられてしまった方が良かったんじゃないか。


楽になれたんじゃないか。



膝から崩れ落ちた。






ふと抱きかかえていた妹を見ると


スヤスヤと寝息を立てていた。






…だめだ。






こんな所で死ねない。





妹を残して死ねない。





たった一人の家族なんだから。





そんな事を考えていると





「…どうしたのかな?」





優しい声。






顔を上げると、男の人が立っていた。





これが御館様との出会い、


そして私が鬼殺隊に入るきっかけだった。

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ゆり - あの、虫柱の字が違います。直すと、蟲柱です。頑張ってください。応募しています。素敵な作品ありがとうございます。 (2021年12月19日 16時) (レス) @page8 id: b7d6d649b3 (このIDを非表示/違反報告)
マイン(プロフ) - ものすごく感動しました!素敵な作品をありがとうございます。 (2021年7月29日 16時) (レス) id: ff98810e28 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - M.Aさん» コメントありがとうございます!明日の更新で完結予定ですので楽しみにしていただければ嬉しいです! (2020年11月22日 16時) (レス) id: 98ee366df5 (このIDを非表示/違反報告)
M.A - えめっちゃ続きが気になりますーーー! (2020年11月22日 15時) (レス) id: 823ba8adaf (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ねこすけさん» コメントありがとうございます!はい、それをどう書こうか、表現しようかとても迷ったんですが、世界観と雰囲気、読者様のイメージを壊さないよう、敢えて書きませんでした!ですので読者の皆様のご想像にお任せ致します(*^^*) (2020年11月22日 12時) (レス) id: 98ee366df5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:R | 作成日時:2020年11月17日 19時

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