暗い道を歩いて ページ37
「……ここ、どこ?」
アタリメ司令の持っている無線から、女の子の声がした。
「起きたか4号!」
「……司令!無事だったんですね!」
ばっと起き上がるような音が無線越しにする。
「……あれ?もう一人いませんでしたか?」
「8号か?おヌシが持ってきた地図で先行ったぞィ。」
「あいつ、タコでしたよね!?話通じたんですか?」
「イカ語が上手いタコじゃってな、ほかのタコゾネスみたいに敵対的でもなかったんじゃ。」
どこかなごやかな雰囲気が無線の向こうで流れている。
「……なんだぁ、よかっ」
言葉の終わりは、ノイズ音にかき消された。
「ジジイ?4号?」
ヒメの声はした。あちらも通信が途切れてしまっているらしい。
……ノイズ音の中に混じって、微かにあの女の子の怒鳴り声と、何かが落ちる音、倒れこむ音、ガラスのような何かが割れる音がした。
が、それもすぐに止んだ。ノイズ音も止まり、一気に静かになった。
何が起こっているのか。
どうしたらいいのかわからず、無線機を耳の横に当てたまま立ち尽くしていた。
……しばらく何も聞こえなかった無線機から、地の底から這い上がってきたような声がする。
「貴様ラ……」
声の主はデンワだった。
「……地獄ヲ……見セテヤル……コノ!海産物ドモガ!」
耳をつんざくような合成音声の怒鳴り声が無線機からした後、ブツッと音がして無線が切れた。
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2円玉(プロフ) - ますまろさん» 嬉しいコメントありがとうございます! (2019年1月21日 6時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
ますまろ - 語彙力がすごくて、その場の様子が頭にすぐ浮かぶので、この小説が好きです!更新頑張ってくださいね! (2019年1月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 6e11289f4f (このIDを非表示/違反報告)
2円玉(プロフ) - カーボンさん» ありがとうございます!設定の所は特によく考えたのでそう言って下さるととても嬉しいです! (2018年8月4日 14時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
カーボン - 設定のところ読んでみて「いいな(*^^*)」と思おました!これからも頑張ってください (2018年8月4日 13時) (レス) id: ce3680d7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:2円玉 | 作成日時:2017年12月28日 13時