落とし物 ページ36
しばらく進んだ。
リスポーン地点の登録をしてないから、途中でもし死んだら生き返れないことに気が付いたときは身体が芯から震えた。
ブキを忘れたせいで、途中まで隠密行動を強いられたのも非常に疲れた。
途中、いろんなものを見た。
消毒されただれかの残骸。
私と同じ顔をした人の写真。
ネリモノ……。
ブキがないから、敵から身を隠すために遠回りもしたりした。
イイダさんとヒメさんが、データ上で敵の動きを見て指示を出してくれているから安心感がある。
そして、長い廊下に差し掛かった。消毒されたタコがおらず、薄暗い場所だった。
廊下ではなく倉庫のようだなとそこら中に高く積まれた段ボールを見て思った。
「やっぱブキ無いと辛いなあ……。」
呟いた。
「そうそう、それなんですけれど、ブキの反応がその場所にあります！探してみてください！」
通信機越しに少しうれしそうな声がする。
「えっ！本当!?やったぁ！」
つられてこちらも語気が華やぐ。
とりあえずその辺の段ボールを開ける。
1つ目には大量のタコゾネスサングラスが詰め込まれていた。
2つ目、インクが小分けに"acid"と書かれた輸血パックのようなものに梱包されて、丁寧に詰められていた。
3つ目にブキが入っていた。黒いフォルムに黄色のアクセントが施されているシューターだ。手に取ると、インク色に淡く光った。
「なんか、かっこいいシューターだね。」
「それ、3号さんのシューターじゃないですか？」
イイダの声が聞こえた。若干、こわばっている気がするのは気のせいだろうか？
「なんで知ってんだよイイダ。ジジイから聞いたのか？」
「……3年前のライブです。タコワサ将軍と3号さんが戦ったんですよ。その時見たんです。」
イイダが意を決したように話し始めた。実質、自分がタコだと告白するようなものだからだ。
「へー。何でこんなとこにあんだ？複製品か？」
対してヒメは、それをさらっと流して普通に話している。
「……ヒーローシューターは、オクタリアンにすら構造がわかっていないオーバーテクノロジーなんです。複製品は、作れません。たまに見る模造品は、ガワだけのものです。」
「じゃあ、ホンモノ？でも、なんでこんなところに……。」
「……なんだか嫌な予感がします。先を急ぎましょう。8号さん。」
黒いシューターのグリップをしっかり握りしめる。妙に手になじんだ。
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2円玉(プロフ) - ますまろさん» 嬉しいコメントありがとうございます！ (2019年1月21日 6時) (
レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
ますまろ - 語彙力がすごくて、その場の様子が頭にすぐ浮かぶので、この小説が好きです！更新頑張ってくださいね！ (2019年1月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 6e11289f4f (このIDを非表示/違反報告)
2円玉(プロフ) - カーボンさん» ありがとうございます！設定の所は特によく考えたのでそう言って下さるととても嬉しいです！ (2018年8月4日 14時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
カーボン - 設定のところ読んでみて「いいな(*^^*)」と思おました！これからも頑張ってください (2018年8月4日 13時) (レス) id: ce3680d7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2円玉 | 作成日時：2017年12月28日 13時
