さぁ！さぁ！ ページ31
「そうだデンワ！『アレ』、集めきったよ！ところでさ、このアレ？集めて何かいいことあるの？」
「アリマス。前に説明しなかったデスカ？」
受話器で頬杖?をつきながら、訝しげにこちらをじろりと見る。
何度言ってもわからない幼稚園児に何度も何度も同じことを教える学生のような顔だ。
その表情に、何かもやっとしたものが引っかかる。
「いや、約束の地がどうだとかしか。」
頭に？を浮かべながら聞く。きっと先ほどのデンワのような顔をしているのだろう。
さらりと流されると思っていたが、デンワは一瞬真顔になって、
「……アァ、モウ！いい加減ひとりひとり最初から説明するの面倒デスネ！入ったら！イイとこへ！！行けるんですヨ！」
逆切れし始めた。
「……へー。」
「こんな陰気臭い場所ととっととオサラバしてアナタも早く約束の地行きたいでしょ！？だったらとっととこの中に入ってください！」
デンワの豹変を妙に思いながら階段状になっている場所を上る。
「更年期かのう？ちゃんとカルシウム取るんじゃぞデンワ。」
8号と司令が両足をしっかりと筒状の「アレ」の中に入れた瞬間、地下にデンワの高笑いと扉の閉まる音が響いた。
「アーハハハ！！ハッハッハハハハ！！！」
嘲笑。まるでしてやったとでも言いたそうな笑い声を上げ、蓋にデンワは飛び乗った。
「……何がおかしい？」
妙なろくでもない予感がして冷汗がほほを伝った。
「お前の基になったタコと同じ末路か！つくづくお前もバカだなァ！！同じ手法で騙されて！」
デンワの声がする上を見る。そこには鋭い鉄製の刃が、土台から発せられるイルミネーションを受けて7色に光っていた。
「……お前、まさか！！」
「ソウ、オマエラは今からアレにミンチにされて殺されるノダ！！哀れだナ！」
上から刃が動き始めた音がする。恐怖と怒りがないまぜになって、握りしめた拳をガラスにたたきつけた。
「出せ！」
「無駄なアガキさ。内側から壊れるはず無いダロ？最期くらい落ち着いたらドウだ？」
「どの口が言って……」
刃が風を切る音が頭上に迫ってきた。
「アー……デハ。約束の地をご堪能アレ！」
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2円玉(プロフ) - ますまろさん» 嬉しいコメントありがとうございます！ (2019年1月21日 6時) (
レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
ますまろ - 語彙力がすごくて、その場の様子が頭にすぐ浮かぶので、この小説が好きです！更新頑張ってくださいね！ (2019年1月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 6e11289f4f (このIDを非表示/違反報告)
2円玉(プロフ) - カーボンさん» ありがとうございます！設定の所は特によく考えたのでそう言って下さるととても嬉しいです！ (2018年8月4日 14時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
カーボン - 設定のところ読んでみて「いいな(*^^*)」と思おました！これからも頑張ってください (2018年8月4日 13時) (レス) id: ce3680d7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2円玉 | 作成日時：2017年12月28日 13時
