シオカラ亭にて ページ4
その後シオカラ亭に戻り、一号と二号にそのことを話した。
3号がタコになっていたことと、アオリが洗脳されたときのサングラスはかけていなかったこと。
「インクリングがオクタリアンになるなんて聞いたことないよ!?」
「どうなっとるんや……」
古く分厚い辞書を3人で見る。そんな話、どこにもない。
落胆しながらくるりと踵を返しスノーボールに向かう。
｢タコワサ将軍!!どういう事だ!?｣
4号が、スノーボールに掴みかかった。
｢揺ラスナ!!ソンナコト知ラナイゾ！｣
スノーボールの中のラメが舞う。目を回したタコワサが内側からガラスを叩いた。
｢ああ!?お前、似たようなことアオリちゃんにやっただろ！｣
｢アレハアクマデモ『サイミン』ダ！肉体ヲ変化サセルノハムリダ！｣
タコワサはそう話している。
……どうやら、嘘を言っているようには見えないし、 アオリの1件は確かに今の3号の状態とは全く違う。
｢……そうか、すまない。頭に血が上っていた。｣
そっと、スノーボールをつかんでいた力を弱め、頭に手を当て空を仰いだ。
彼女を逃がしてしまったことで話は振出しに戻ってしまった。
オクタリアンが元凶ではないのならばいったいだれが何のために？
手がかりさえあればどうにかなるのだろうが……
手がかりさえあれば、
そう考えていたところだった。
「4号！ナンタイ山で3号が暴れとる！」
和服姿のホタルが、息を切らして飛び込んできたのは。
「は!?……今行きます!!」
胸に込み上げるこの思いは驚愕か、恐怖か。好都合だと思った故の喜びか？
だが、確かなことが二つある。
一つ。その感情は苦かった。
二つ。おかげで、手がかりができた。
チャージャーを持って、静かにナンタイ山まで飛んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
2円玉(プロフ) - ますまろさん» 嬉しいコメントありがとうございます！ (2019年1月21日 6時) (
レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
ますまろ - 語彙力がすごくて、その場の様子が頭にすぐ浮かぶので、この小説が好きです！更新頑張ってくださいね！ (2019年1月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 6e11289f4f (このIDを非表示/違反報告)
2円玉(プロフ) - カーボンさん» ありがとうございます！設定の所は特によく考えたのでそう言って下さるととても嬉しいです！ (2018年8月4日 14時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
カーボン - 設定のところ読んでみて「いいな(*^^*)」と思おました！これからも頑張ってください (2018年8月4日 13時) (レス) id: ce3680d7ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：2円玉 | 作成日時：2017年12月28日 13時
