数多の回廊と ページ30
(4号視点)
壁を押してみると、ガコンという音とともにまた薄暗く先の見えない廊下が目の前に開けた。
まるで忍者屋敷だ。
ガコン、ガコン、ガコン……。海にぽっかりと穴が開いたように見えてきた。
「さて……どこに行けばいいんだ？どこも真っ暗な廊下だな……。」
とりあえず手元の地図端末をスワイプする。
この場所で初めて電源を入れた時「管理者権限で実行しますか？」とポップアップが出て、とりあえずはいを押したら地図の色が妙に赤くなって地図に名前が付き始めた。
それ以外に何か変わった点は……
「ん？」
思わず声が出た。開けた駅のホームのような場所に、見知った名前――アタリメ司令――と、赤くマークされたタコのアイコンがある。
「場所は!?」
一本の廊下がその上を通っている。
廊下の片方はどこか遠くへ、もう片方は目の前のドアへ。
端末から目を上げて、私は廊下を走り始めた。
チャージャーで一直線の廊下を塗り、チャージキープを繰り返し警戒しながら先へ進んでいく。
時折警備兵を見かける。消毒され意識も何もない愚鈍で死体のような何かに何やらせても無駄なのではないかと撃ち抜きながら思う。
塗って、撃って、走って、時折相手のインクが舞って。
チャージが遅くて待ちきれないときは走りに乗ってチャージャーで殴り飛ばす。
殴った場所からインクが噴出していたのにはびっくりした。そこから体組織が崩壊したようだ。
インクに濡れた私のマントがはためいている。
走らなければ。急がなければ。
アタリメ司令は日干しの影響でインクが出にくい。
竹筒銃で応戦しているだろうが、それで倒しきったときしてもそれはそれで危ない。
インクは生命線だ。
過剰に使いすぎたら倒れてしまうかもしれない。
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2円玉(プロフ) - ますまろさん» 嬉しいコメントありがとうございます！ (2019年1月21日 6時) (
レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
ますまろ - 語彙力がすごくて、その場の様子が頭にすぐ浮かぶので、この小説が好きです！更新頑張ってくださいね！ (2019年1月20日 23時) (携帯から) (レス) id: 6e11289f4f (このIDを非表示/違反報告)
2円玉(プロフ) - カーボンさん» ありがとうございます！設定の所は特によく考えたのでそう言って下さるととても嬉しいです！ (2018年8月4日 14時) (レス) id: dac448df51 (このIDを非表示/違反報告)
カーボン - 設定のところ読んでみて「いいな(*^^*)」と思おました！これからも頑張ってください (2018年8月4日 13時) (レス) id: ce3680d7ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2円玉 | 作成日時：2017年12月28日 13時
