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・約束の時間 ページ31



腕時計を確認する。もう少しで20時になろうとしていた。

急ぎ足で視聴覚室に入った。
部屋は真っ暗で、案の定、太宰は来ていなかった。
又々、時間を気にしてしまった。


俺は何に焦っているんだ、と心の中で思ってしまうほど緊張していた。


俺が入ってきた数秒後に、誰かが入ってきた。

扉によし掛かっていた俺は、扉が急に開いたと同時に後ろに倒れそうになった。

だが、入って来た誰かの手が、俺の背中に触れた。
支えてくれたのだが、完全に全体重を乗っけてしまい呆気なく二人して転んでしまった。



「いたたた」


その声にばっと後ろを振り返り、謝る。


風「す、すいません!俺の不注意で__」


その人物に目を見開く。


風「だ、太宰!」

太「風見警部補。私では支える事が出来ませんでしたよ」


そう云って、太宰は薄く笑った。

太宰が来ると少し身構えて体が固まってしまった。

実際に俺は、色々と巧妙な太宰を降谷さんと同じように見ているのかもしれない。

じゃなかったら、こんなに緊張しないものだ。


風「す、すまんな」


そう云って手を差し出す。
太宰は俺の手を笑顔で掴んだ。

引っ張った時に、異常な太宰の体重の軽さに不安を感じてしまった。


____
_______


風「すまん!」


俺は太宰に向かって頭を下げる。
横目で太宰を見ると、微かに目を見開いていた。

それもそうだろう。
呼び出されたと思ったら、急に意味も分からず、謝られたのだ。


太「…顔を上げてください。風見警部補が謝る理由が分かりません」

風「太宰が同僚に苛まれているのにもかかわらず、俺は見て見ぬ振りをしていた」

風「俺は上司失格だ。ここは、俺が助けなくてはいけなかったんだ」


顔を上げずに云う。
降谷さんの命令なんだ、とは云わない。それは只の言い訳だ。


ここまで黙って聞いていた太宰が口を開く。


太「命令ですよね?降谷警視からの」


耳を疑った。バレていたのか……

思わず顔を上げ、太宰を見る。



太「中りですね」


俺の表情を見て、太宰は笑う。

・人格→←・部下として応える義務



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のりばやし(プロフ) - 鬼瓦権造という名の名無しさんさん» コメントありがとうございます!一度私なりに修正してみようと思います!つたない言葉遣いで申し訳ありません!アドバイスありがとうございます!!頑張ります!! (2020年4月22日 10時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - 鬼瓦権造という名の名無しさんさん» コメントありがとうございます!一度私なりに修正を加えてみる事にしました。つたない言葉遣いで申し訳ありません!アドバイスありがとうございます!!頑張ります! (2020年4月22日 10時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
鬼瓦権造という名の名無しさん - コメント失礼します。この作品、私好みでとても面白いです。しかし所々に誤字があり、言葉遣いも少し不適切な部分が見られます。句読点の位置も少し不自然です。一度読み直して確認・修正してはいかがでしょうか。長々と申し訳ありませんでした。応援しています。 (2020年2月9日 2時) (レス) id: 89f5f989ea (このIDを非表示/違反報告)
のりばやし(プロフ) - ノルンさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2020年1月6日 9時) (レス) id: 450ab9bd17 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新お疲れ様です!待ってました!!!! (2020年1月5日 14時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のりばやし | 作成日時:2018年5月25日 22時

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