【サンジ】息を吸って 2 (ページ23)

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No.72 ページ23

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　サンジはタバコを一本吸い終えると部屋へ帰っていった。ゾロは相変わらず筋トレをしている。私は日記の続きを書いたり、本を読んだりした後、窓の外から海を眺めていた。

　
　船に乗せてもらっている身として、私にできることが何かを考えてみるのだが、よく分からない。今出来ることは手伝いくらいだ。コユちゃんに会えたとして、どうしたらよいのだろうか。私は何をすべきなのか。

　麦わらの一味を危険に巻き込んだこと、迷惑をかけてしまっていることは痛いほど分かっている。でも、父の〝気〟を取り戻す方法を他に知らない。本当に申し訳ないが、彼らを頼るしかない。引けない状況にいるのだ。私に出来ることは精一杯やらなければ。

　考え込んでいるうちに、空はもう明るくなり始めていた。この時間の景色も素敵だ。こういう瞬間を記憶だけにおさめておくのは勿体ない。島に帰ったら絵の勉強でもしてみようか。

　そんなことを考えていると、遠くに何か見えた。

「ゾロ、あれって。」

　腰掛けて休憩をしていたらしいゾロは朝をタオルで拭いながら窓の外を見た。昼に口で刀を咥えていたのを思い出す。目の前のゾロが怖い訳では無いが、戦闘時の緊張感と、その時のゾロの目も同時に思い出されて軽く身震いがした。

「あぁ、島だな。アイツら起こしてくるか。」

　