【サンジ】息を吸って 2 (ページ18)

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No.67 ページ18

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「その手を離せクソ野郎！！！！」
　
　その声と同時に私の首から腕が離れた。強く地面に放り出され、咳き込んでしまう。急に強く締められたせいか喉に違和感があった。

　喉元を押さえながら後ろを振り向く。私を人質にとっていたらしい男は伸びていて、その後ろに立っていたのはサンジだった。

　あぁ、また私は助かったんだ。この人に助けられたんだ、そう思うと胸がズンと苦しくなる。心臓を握り潰されたみたいだ。不思議な感覚に驚いたのも束の間、頭がクラクラとした。

「Aちゃん大丈夫？怪我ない？」

　
　そう言ってサンジが私の方へ近づいてくる。私はすっかり放心してしまって、安堵に近いような、それでいて苦しいような形容し難い不思議な気分を抱えたまま気を失ってしまった。

　目を覚ますとチョッパーが私の顔を覗き込んでいた。ひどい痛みというわけではないが、頭がズキズキと痛む。

「A！みんな！Aが目を覚ましたぞ！」

　ゆっくり起き上がって周りを見渡すとどうやら医務室のようだった。この部屋にはあまり入った事がないが、薬のあの独特な匂いがする。

　あの後から半日眠り続けていたらしい。チョッパーの言う事にはショックが原因だそうだ。島で暮らしていた頃は人質にとられる経験をするなんて夢にも思っていなかった。航海は楽しいことも多いけど、常に危険と隣り合わせなのだということを痛感した。