story…52 ページ15
私がまた謝ると、影山くんの眉間にシワが寄った。
せっかくのいい顔が……。
「何でですか」
『……めいわくかけた』
「キスしたことですか?」
頷く。
「それなら、俺も悪いです。ムリヤリした」
『ちがう、わたしが、Ωで』
「Ωとか、αとか関係ないです。
俺はシブキサンだったからしたいと思ってしました」
目を見開く。
『うそ?』
「マジです。好きです、シブキサン」
何で今それ言うの。
薬の副作用で眠気がやってくる。
半分、意識を手放したまま、私の口は勝手に動いた。
『かげやまくんでよかった』
※※※
起きると、影山くんが私の枕元で寝息を立てていた。
白目を向いていて、怖い。
そういえば、白目を向く人は、目が大きいらしい。
体を起こす。
時計を見ると、授業が終わっている時間だった。廊下が少し騒がしい。3限目って何だったっけ……と思い出しながら、影山くんの隣の床に両足を着いた。
少し、ダルいな。前のと同じ感じだ。
っと、私の腿の上に大きな手が乗った。
腕を視線で辿れば、影山くんと目が合った。
「どこに行くんすか」
『……影山くん、私、匂う?』
「さっきよりはマシです。でも、いつもより甘いです」
甘いんだ。
『じゃあ、今日は帰る』
「送ります」
『駄目だよ、授業受けて』
「……送らせてクダサイ」
折れない影山くん。私はため息をついて、頼み事をする。
『じゃあ、私の荷物を取ってきてくれませんか?私は職員室に早退届出してきます』
「分かりました」
立ち上がって、一緒に廊下に出る。
私は職員室に。影山くんは1-5に。
歩きながら考えた。
また影山くんの好意を蔑ろにしてるんじゃないか?
私が応えられるか?
同じものを影山くんにあげられるとは思えない。
もらってばっかじゃ……、
「おっと!」
『っ!すみません!』
危うく人とぶつかる所だった。
職員室の扉を挟んで、武田先生と対面する。
武田先生はニコニコと笑みを浮かべた。
「いえ、こちらこそ。
そろそろ授業に遅れてしまいますよ?」
『あ、熱が出たので早退しようかと』
「なるほど、それは」
途端に心配気に眉を寄せ、武田先生は用紙を取ってきてくれて、承認印をくれた。
『ありがとうございました』
「いえ、気をつけてください。一人で大丈夫ですか?」
『はい、大丈夫で、』
「シブキサン」
影山くんがいつの間にか少し離れた場所にいた。手には私のカバン。
「おや、影山くん」
武田先生の眼鏡がキラリと光った。
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いあ(プロフ) - ( ´ ▽ ` )ﾉさん» ありがとうございます!楽しんでいただけたようで、何よりです^_^楽しみに待っていて下さいね! (2020年4月15日 7時) (
レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ ▽ ` )ﾉ(プロフ) - 完結おめでとう御座います！最後までキュンキュン楽しかったので終わってしまって少し寂しいです、、(;_;) 続編、是非書いてください！楽しみにしています(^^) (2020年4月15日 2時) (レス) id: 6e1c4f7906 (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - 萌川。さん» ありがとうございます!本当に嬉しいです。分かりました(笑)続編も前向きに検討しますね!! (2020年4月14日 19時) (レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
萌川。(プロフ) - 完結おめでとうございます！この世に素晴らしいお話を産み落としてくださり本当にありがとうございます。とても美しくて尊い物語と出逢うことができて私は本当に幸せ者だと思います。作者様が楽しんで描けそうであれば、2人のその後の時間を是非とも覗かせて欲しいです (2020年4月14日 13時) (レス) id: 80fbd1d73c (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!あこさんのコメントはいつも本当に嬉しくて、とても励みになりました。続編についても、前向きに検討しますね! (2020年4月14日 11時) (レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珈琲屋 | 作成日時：2020年3月31日 14時
