story…51 ページ14
保健室へ行く途中、とうとう動けなくなってしまった。
初めて、こんなに重いヒートを経験した。
頭がぼうっとして、でも、影山くんが近づいているのが判った。
来てほしくなかった。
案の定、影山くんを見た瞬間に、
影山くんに抱きしめてほしい。
キスしてほしい。
そう思ってしまった。
私はΩだから、私のフェロモンは影山くんに通用してしまうから、
影山くんを振り回してしまう。
現に、キス……させてしまった。
そうさせたのが申し訳なくて、惨めで、
謝った。
「何で……謝ってるんすか」
影山くんは私を軽く抱きしめて、小さな声で囁いた。
止まっていた足がまた動き出して、すぐに保健室についた。
扉には、養護教諭は出張中となっていた。影山くんはそれを気にせずに扉を開けると、ベッドに私を下ろした。
そして、引き返して、扉に鍵をかけた。
『なん、で?』
「シブキサン、ヒートっすよね?人入ってきたらヤバいじゃないですか」
君もなんだけどな……。
相変わらずの影山くんに少し落ち着いた。
体が熱い。
「どう……したらいいですか?」
私は、棚を指差した。
『くすり、』
すぐに影山くんはその棚に近づき、中を物色する。
「ヒート……むかえ……?せい?……これですか?」
ヒート抑制剤ね。
諦めた影山くんが見せてきた白いケースを見て、頷く。
手渡されたそれから、震える手で蓋を開け、錠剤を一つ取り出す。そのまま口に含み、飲み込んだ。
ケースを影山くんが棚に戻してくれている間に、私はベッドに横になる。
この授業分寝たら、少しはマシになるはずだ。
そしたら、早退しよう。
片付けを終えた影山くんが、近くに来て、横たわっている私を見下ろし、掛け布団をかけてくれた。
『ぁりがと……』
「いえ……。俺、出といたほうがいいですよね」
そう立ち去ろうとする影山くんの手を掴んで止めた。
『ちょっとだけ、いて』
途端に嬉しそうな顔をした影山くんに思わず笑ってしまった。
「体調、どうですか」
『まし』
影山くんは手を繋いだまま膝を付き、私の枕元に顔を寄せた。
横を向いて、顔を見合わせる。
『かげやまくん、ごめんね』
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いあ(プロフ) - ( ´ ▽ ` )ﾉさん» ありがとうございます!楽しんでいただけたようで、何よりです^_^楽しみに待っていて下さいね! (2020年4月15日 7時) (
レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
( ´ ▽ ` )ﾉ(プロフ) - 完結おめでとう御座います！最後までキュンキュン楽しかったので終わってしまって少し寂しいです、、(;_;) 続編、是非書いてください！楽しみにしています(^^) (2020年4月15日 2時) (レス) id: 6e1c4f7906 (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - 萌川。さん» ありがとうございます!本当に嬉しいです。分かりました(笑)続編も前向きに検討しますね!! (2020年4月14日 19時) (レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
萌川。(プロフ) - 完結おめでとうございます！この世に素晴らしいお話を産み落としてくださり本当にありがとうございます。とても美しくて尊い物語と出逢うことができて私は本当に幸せ者だと思います。作者様が楽しんで描けそうであれば、2人のその後の時間を是非とも覗かせて欲しいです (2020年4月14日 13時) (レス) id: 80fbd1d73c (このIDを非表示/違反報告)
いあ(プロフ) - あこさん» ありがとうございます!あこさんのコメントはいつも本当に嬉しくて、とても励みになりました。続編についても、前向きに検討しますね! (2020年4月14日 11時) (レス) id: 8bf363f988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珈琲屋 | 作成日時：2020年3月31日 14時
