第十話「哀ちゃんとお茶会2」 ページ48
「そうかしら?彼、ポアロで見てる限りだと貴方のことしか見てませんって顔してるわよ」
「それに、あんなにアピールされても気付かないなんて…かなり鈍感なのね」
なんか、灰原ちゃん呆れてる?
『ん?アピールって何のこと?』
…アピールって普段の「彼」はどっちも大差ないからな…分からん
「教えてあげない、ポアロの彼が貴方に気付かせないと意味ないもの」
頭のなかでハテナが浮かぶものの、灰原ちゃんは教えてくれなかった
「それより、貴方紅茶飲むわよね?良いお茶請けが手に入ったのだけど博士はダイエット中だから私と食べてほしいの」
『あ、うん…それで私にお礼と言うワケか』
「えぇ、有名どころのお菓子だから貴方も気に入るはずよ」
彼女に連れられて、阿笠さんちへ到着
「適当に座って、お茶の用意をしてくるから」
『…えっと、阿笠さんはいないの?』
なかに入るものの、阿笠さんの姿が見えない…外出中とか?
「博士は実験中よ、貴方と茶会をするから来ないように伝えてあるから安心して」
そういい、灰原ちゃんはお茶の用意のため台所へ向かって行った
小学生に気を遣われてしまう高校生ってどうなの?…何だか情けなくなってきた
『待って、私も手伝うよ』
一人でお茶の用意をすると言い出した彼女を心配に思い手伝おうとするものの
「いいのよ、貴方は客人なんだから」
あっさり却下された
なんか、調子狂うな…普段こういうのないし
というか、灰原ちゃんが優しい…実はツンデレなのか?
まぁ…仕方がないから大人しく待つことにした
彼女はあっという間にお茶の用意をして、戻ってきた
「紅茶についてだけど、アールグレイとダージリンどちらがお好みかしら?」
紅茶か…普段からどっちも飲むけどストレートだったらダージリンかな
『…ダージリンが飲みたいな』
「わかったわ、ティーバッグでごめんなさいね。今茶葉を切らしてて…どうぞ」
テーブルを囲い、向かい合って座った
『ありがとね、いただきます』
紅茶を一口飲む
「お菓子もあるから遠慮なく食べてちょうだい。私じゃ食べきれないから」
オシャレな缶に入ったお菓子たちに手を伸ばし、掴んで食べ始まる
『ん、美味しい…フロランタンにバタークッキーもある…モグモグ』
普段、お菓子は食べすぎると「彼」がうるさいから遠慮なく食べられるなんて
灰原ちゃんに感謝しなくては、と思いつつ口いっぱい頬張った
第十話「哀ちゃんとお茶会3」→←第十話「哀ちゃんとお茶会1」
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時