逃避から始まる転生生活【名探偵コナン】 (ページ47)

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第十話「哀ちゃんとお茶会1」ページ47

「この間は助かったわ、ありがと」

いつも通り、ポアロでお茶していたら灰原ちゃんが話しかけてきた

『…ぁ、うん。どういたしまして』

この間って、あの事件のことか…ちゃんとお礼とかいう子なんだな

「お礼がしたいから今から博士んちに来てくれない？」

お礼がしたい…ね、そんな風にされるようなことしたっけ？

『え、今から？急にはちょっと…』

透くんのバイト…今日は閉店までだからまだ時間あるけど…でもな…

さりげなく「彼」に視線を向けて見ると

「いいんじゃないですか？今日はそこまで忙しくないですし、夕方頃に迎えに行きますから」

笑顔で"お礼されて来い"と言われたような気がする

この男…普段から人と関わりを避けたがる私に妙なお節介焼くんだよな…

『…まぁ、透くんが良いならお邪魔しようかな』

「それじゃあ行きましょう、彼女お借りするわね」

「えぇ、よろしくお願いします」

終始ニコニコと手を振りながら、「彼」は私たちを見送った

『…』

阿笠さんちに向かう途中

「ねぇ、ポアロの彼とは幼馴染なのよね？いつもああやって彼がポアロにいる時はずっと店にいるの？」

ふいに、灰原ちゃんが疑問を投げかける

『まぁ…ポアロに行かないと送り迎えするって言われてて…さすがに学校まで来られるのは嫌なので仕方がなしにって感じ…』

『でも行きたくない日もあるから、その時は家にいるかな』

―――本当は、ずっと家に居たいけど

「彼」が私を心配するからね…

それに、以前ポアロに行くのを拒否したら子犬みたいに悲しそうな顔をしてきたことがあった

奥のカウンター席でもいいから自分の見える範囲にいてほしいって言われた

…大概、私も「彼」に弱いらしい

「そう、貴方は同年代の子達と全く関わってないみたいだから彼が数少ない交流関係ってことね」

「因みに恋愛感情はあるの？」

『…他の人にも聞かれたけど、私は彼をそんな風に見たことはないよ。特別優しくして貰ってるだけで』

『いつかこの関係は終わるよ…きっとね』

「彼」は元々仕事人間だ、警察官として国民を…この国を守るモノ

今は私が未成年だから、それに過去の話の件で放って置けないだけ

だから、私への執着は成人して独り立ちすれば消えるはず

まぁ…その時こそ、私の命の終わりであってほしいと思うよ