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第九話「愛犬ハロとの出会い1」 ページ45

「あのさ、夏音って前に犬が苦手だって言ってたよな?」



ある日の夕食後、後片付けをし終えた私に「彼」は言った



『…あ、うん。生まれ変わる前に噛まれたことがあって』



『それがどうかした?』



そういうと、「彼」は"噛まれたことがあって"と言った途端



気まずそうな顔をしながら



「実は…犬を飼うことにしたんだ」



意外なことを言ったのだ



普段、警察官として仕事に追われている「彼」がペットを飼うとは珍しい



どうしたのかな…何か訳ありって感じがする



『へぇ…子犬を譲り受けたとか?』



「いや、以前河原で会って…昨日再会してそれからずっと着いてきて」



「最終的には車に轢かれそうになったのを助けて保護する形で飼うことに…」



『ハァ!?車に轢かれたって、怪我は?大丈夫?』



見る限りでは怪我をしている様子はないからうまく受け身をとったんだろうけど



つい、心配になってしまい「彼」の様子を見ようと近づいてみるも怪我はないようだ



「フッ…大丈夫だよ、俺も犬も何ともないから」



「…不安にさせて悪かった、それであまりにも着いてくるからその熱意に負けて飼うことにしたんだよ」



『そっか…怪我がないなら良かった…その犬くん、君に優しくして貰えたから懐いちゃったのかもね』



「彼」は動物によく懐かれる、外ですれ違う犬に擦り寄られているのを何度も見たことがある



まぁ、犬が苦手な私は毎回ビビりながらその様子を見ていたのだけど



「それで、夏音さえ良ければ会わせたいなって思って…いいか?」



『…まぁ、会うのは構わないけど…大体の犬には嫌われてるからな、よく吠えられるし』



「あ…あの子はまぁ吠える方かもな、でもいい子だから夏音とはすぐ仲良くなると思う」



『うん、君がそういうならいいよ』



『君には前からアニマルセラピーが必要だって思ってから、犬くんがいてくれるなら少しは安心かな』



「アニマルセラピーって…俺は夏音がいてくれるならそれでいいのに」



『私はセラピストじゃない、君はもっと癒されるべきなんだよ。日頃疲れているんだからさ』



「俺は日頃から夏音に癒されてるぞ」



「彼」はドヤ顔で言う、いや、ドヤ顔されても困るわ



『私を勝手に癒しの対象にするなっての…そういう話じゃないでしょうが』



…でも、まぁ



君に寄り添ってくれる家族ができて、心からよかったと思うよ

第九話「愛犬ハロとの出会い2」→←第八話「全部、私のせい7」



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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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