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第八話「全部、私のせい5」 ページ42

「おい!!こいつがどうなってもいいのか!!」



そして、側にいた私に無理やりナイフを近づける



後ろにいた灰原ちゃんも同じように銃を突きつけられた



『ッ、だから!子供に触るなって!!』



「うるさい!!首と胴体がさよならしてもいいのか!」



『私が人質になるから、子供だけでも解放してください』



「夏音さん!」



風見さんが制止するために私の名前を呼んだ



「…チッ、分かった。ガキだけは逃がしてやるよ」



銃を持った男は灰原ちゃんに突きつけた銃を下ろして、彼女を解放してくれた



「お姉さん!!」



『風見さん!早く彼女を保護して!!』



一瞬、動きが止まっていた風見さんに彼女の保護を頼んだ



「は、はい!君、こっちへ!!」



無事、灰原ちゃんは風見さんの元へ走っていけた



『よかった…』




安心したのもつかの間



「安心するのは自分が逃げれたときにしておくんだな」



再び、ナイフを突きつけられる



「…お前、夏音っていったか。肝が据わってるな」



『別に、私は子供が傷つくのを見たくないだけです』



「チッ…計画が台無しだ。サイレンの音まで聞こえてきた…」



男が言うように、パトカーのサイレンがどんどん近づいてくる



「今連絡が入った…リーダーが警察に囲まれた」



「ここまでなのか…」



「でも俺たちにはまだこの人質がいる!」



「逃がすかよ!!!いっけぇぇぇーーー!!」



男の一人が私にナイフを突きつけたまま車に乗り込もうとした



その時、聞いたことのある声が倉庫内に轟く



サッカーボールが男の一人にクリーンヒットして反射的に構えたナイフをその場に落とした



そして男が油断したのでなんとか逃げ出そうと駆け出した



でも、



「ただでやられるかよ!!」



銃を持った男が、発砲した



『ぐっ…』バタンッ



その一発は、私の右足を掠め、その勢いで地面に倒れこんでしまった



しまった…腕を縛られたままだからすぐに起き上がれない



「「お姉さん!!」」



「夏音さん!!」



江戸川くんたちの声とともに



「よくも!!夏音を傷つけたな!!!」



「彼」の声が聞こえた



――嗚呼、君は…いつも私のために声を荒らげる



それが、私にとってどれほど心苦しいことか



「彼」には一生分からないだろうね



私は、「彼」の声を聞いて安心してしまい、気を失った

第八話「全部、私のせい6」→←第八話「全部、私のせい4」



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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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