第七話「「彼女」を心配する理由1」 ページ34
時刻は深夜1時に差し掛かろうとしていた
―――今日こそ、夏音に会いたい
例の組織での仕事が原因で2日ほど米花町から離れていて
「彼女」のことは風見に気に掛けるよう頼んでいるが
それでも不安で息が詰まりそうだ
「彼女」は、いまゆっくり眠れているだろうか
そもそもの話、「彼女」は買い物以外にほぼ趣味がない
だからポアロに行かない日は、基本的に真っすぐ自宅に帰るのみとなる
たまに寄り道をすることがあるが、コンビニでお菓子を買うくらいで
学生らしく友達と遊び行ったりとかがなく自宅に籠ってしまう
僕が"安室透"として組織の活動で帰れない時は
毎朝、短時間ではあるが電話で会話して、夕方頃には風見に様子を見に行って貰うという形をとっている
といっても、風見も同様に仕事があるため短時間になってしまい、独りになってしまう時間が長いのが心配でしょうがない
まぁ、ここ最近は風見が積極的に「彼女」を気に掛けてくれるので一緒にゲームで遊んだりもするそうだ
…正直なところ妬いてしまうのだが、ここは「彼女」のため大目に見てやろう
『風見、夏音の様子はどうだった?』
電話にて「彼女」の様子を風見に聞く
昨日は朝から眠そうだった、夜更かしでもしたのか?それとも眠れなかったのかもしれない
あまり深く聞く時間がないので帰ったらまとめて話そうと思っている
《はい、18時にご自宅にお伺いしたところ体調は特に変わりないとのことでした…ただ、あまり食欲がないそうでお茶漬けを食されたそうです、謝っておられました》
…お茶漬けか、まぁ最悪、夜は軽く食べても構わない
帰ったら胃に優しいものを作ってやるか
第七話「「彼女」を心配する理由2」→←第六話「怪盗キッドには無関心?6」
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時