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第六話「怪盗キッドには無関心?5」 ページ32

『…ハッ!?なんで倒れて』



目が覚めると、皆が眠らされていた



『…これ、怪盗キッドの仕業なのか…』



そして、両手を体の後ろで縄で縛られて身動きできない



『ねぇ、江戸川くん!皆!起きて!!』



江戸川くんや子供たちを優先的に起こすために声をかける



しかし、目覚めない



「あれ、ちゃんと睡眠薬で眠らせたはずなのになんで起きてるんだよ」



そのとき、気を失う前に聞いた声と同じのがしたので視線を向ける



全身白コーデでシルクハットを被った男



『…君が怪盗キッドか』



「ご名答、オレの変装に気付いていたみたいだし。下手したら名探偵より勘が鋭いじゃねえか」



ということは、最初に会ったガードマンのどっちかがキッドだったのか…



そしてもう一人は共犯者ってことか…



『…その宝石、盗むつもり?』



彼は何重にもガラスケースに覆われた虹の女帝【レインボー・エンプレス】を狙おうとしている



「まぁな、そのためにわざわざ予告状出してるから」



「それよか、お嬢さん。何者だ?眠らせたはずなのに」



『知らないよ、まぁ普段から不眠症気味だからそのせいじゃない?』



『まぁ、残念ながら私には大した力も知恵もない。仮に君へ飛び掛かったとしてもあっさり避けるだろう』



『その宝石、どうするの?どこかに売ってお金儲けでもしそうには見えないけど』



ホントはそんなことに興味がない



ただ、この宝石の価値を理解しているから理由くらいは聞きたいと思った



「…お嬢さん、パンドラの箱って分かりますか?」



『…ギリシャ神話にある”あらゆる災いの元”が入った箱のことだっけ…』



「私は、そのパンドラと同じ名を持つ宝石を探しているのです。それは世界中に散らばるあらゆる宝石のなかに隠されている」



「その宝石は月の光に照らすと赤い光が見えてパンドラかどうか分かるんです」



『パンドラって宝石を探すためにひたすらビックジュエルを盗んでは返し続けているのか…』



『…親の仇とか?』



「半分正解、半分不正解ですね」





『で、その宝石は君の狙っていたものだったの?』



まんまと目の前で盗まれてしまったのだけど、彼が月の光に照らすと顔色が曇る



「いえ、これも違いました。というわけでお返ししますね」



彼は、宝石を元々あったガラスケースの中に置いて私の方へ視線を向ける



そして、縛っていた縄を解いてくれた



『もういいの?私を解放して』



「えぇ、ここにある宝石は私の探していたものではありませんでした」



「なのでここにはもう用はありませんから貴方を拘束する理由は無くなったというワケです」

第六話「怪盗キッドには無関心?6」→←第六話「怪盗キッドには無関心?4」



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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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