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第六話「怪盗キッドには無関心?4」 ページ31

そして、彼女がやりやすいようにしゃがみ込んだ



『…』



グイーッと思いっきり引っ張ってもらった



『ひ、ひはいとひっはるへ…(訳:い、意外と引っ張るね…)』



もちろん、私はキッドの変装ではないからね



ただ痛いだけ



「これでいいかしら」



灰原ちゃんは何事もなかったが如く、パッと手を離した



『うん。意外と遠慮なくて驚いた、でもありがとね』



灰原ちゃんは遠慮のない子なんだと再認識した



「確認できました、ご協力感謝します」



『いえ』




ここにきて30分経ったのだがやはり何か細工されたような様子もなく



ただただ時間だけが過ぎていく



「キッドまだこねぇのかよ!」



「まぁまぁ元太くん、残り30分ですよ。しかしどこからキッドは来るのでしょうか…」



「…千崎お姉さんはさ、何か気付いているんじゃない?」



子供たちが暇すぎてお喋りしていたのだが江戸川くんが私に聞いてきた



『…別に、ただ…』




『タワー入口のガードマンがやけに聞き分けがよくあっさり通してくれたと思ったくらいで…』



普通ガードマンっていうのは関係者以外立ち入り禁止にするはず



それなのに、相談役と初対面で事前連絡をしていない私をあっさり通すのは違和感しかなかった



もちろん江戸川くんたちが顔パスなんだろうけど…私もついではおかしい



『…あのガードマンが怪盗キッドだったりする?』



「それはないと思うけど…だって中森警部がここに入る前に全員顔を引っ張ってるはずだから」



『…毎回引っ張ってるのか、痛そう』



さっき灰原ちゃんに引っ張られた頬を擦るのだった



やっと予告の5分前となり



「各自、再度警戒せよ。まもなくキッドが予告した時刻になるぞ!」



中森警部の警告により、皆が気を引き締める



…ホント、どういう風に一面ガラス張りのこのタワーにやってくるのだろうか



そう思っていると



「…失礼、初めてお会いする方にこのようなご無礼お許しください」



背後で声がした



『誰!?』



そして、口元に布のようなものを当てられ、一呼吸しただけで何かが身体に入ってくるのを感じた



『ッ…君は…』バタンッ



「おやすみなさい、お嬢さん。目が覚めたら全てが終わっていますから」



その声を最後に、私の意識は薄れていった

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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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