第五話「小さな名探偵の観察4」 ページ26
「江戸川くん、探偵ごっこはほどほどにしなよ」
安室さんがおかわりのドリンクを作るため側を離れると
彼女はオレに話しかけてきた
『ごっこじゃないよ』
「…だろうね。今の君、彼奴と同じ顔してる」
『彼奴って?』
「工藤新一と同じだってこと」
『えっ!?』
「彼奴もジロジロとよく人のことを見てきてた、そんなところも同じだわ」
オレの視線に気づいていたのか…
「君って確か、遠縁の親戚なんだっけ?彼奴の真似だけはやめときな」
「…彼奴のは、ジコチューのそれだから」
「自分の探究心を満たすだけで相手のことなんて二の次だろうから」
『そんなことないよ』
オレの事をそんな風にみていたか
まぁ、かつてのオレは…そうだったかもしれない
東の高校生探偵としての名が知れ渡り
コナンとなってからはおっちゃんの代わりに多くの事件を解決して
真実を探すことばかりで、加害者の心情に向き合っていなかった
あの、事件に関わるまでは
"推理で犯人を追い詰めて自サツさせるような探偵は、サツ人犯と変わらない"
オレは、その事件で思い知ったんだ
「……どうだか」ボソッ
彼女は遠くを見つめるように呟いた
「ともかく、私は工藤新一のそういうところが嫌いなの」
「だから、彼奴の真似をする君のことは気に入らないってこと。オケマル?」
てか、オケマルって…さっきのジコチューといい、また古いのを
『真似じゃないよ。ボクは探偵だ』
「何が探偵だ…君はただの小学一年生、それ以上でもそれ以下でもない」
「つまり、子供は大人しくしてなさいってこと」
「お待たせしましたって、あれ?夏音、コナンくんと何を話していたんだい?」
そういい、安室さんがオレたちの飲み物を持ってきてくれた
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時