第四話「風見さんはボディーガード6」 ページ21
「…風見さん、ごめん」
『どうしました?』
ココアを飲んで少し落ち着いたのか、考えがまとまったのか
さきほどまで黙り込んでいた口を開いて話し出した
「私、一人で家に帰るわ」
「それと、零くんことが心配だから手伝ってあげて」
彼女は他のことには無関心になりがちだが降谷さんのことになると心配性なところがある
仕事場での様子も気になるのか時々連絡用の携帯で聞いてくる事がある
勿論、職業上言えないことの方が多いがなるべく聞かれたことは答えている
彼女自身も降谷さんを心の拠り所にしているように見える
事情を知る者から見ればこの二人の関係は"共依存"に近いだろうか
お互いにお互いを必要とし合い、失うことを恐れている
『わかりました、一度確認してみます』
連絡用の携帯で降谷さんに連絡してみた
そして
《いや、大したことはないから問題ない。君は引き続き夏音と共にいてくれ、もし彼女が疲れているようなら帰っても構わないぞ》
『…問題ないと今返事が来ました、お疲れのようでしたらもう帰りの車を用意しますが』
「…」
そう伝えると少し黙り込んで
「ううん…零くん、さすがだな」
彼女は安心したのかゆっくり息を吐き呟いた
笑顔が見える、気分が良くなったのか
『気分、落ち着かれましたか?』
「…まぁね、零くんが大丈夫なら買い物いこうかな…それから帰ってもいい?」
そのとき、降谷さんからの連絡が入る
《風見、たった今解決した。話が終わり次第このまま合流できそうだからそちらへ向かう》
『…あ、事件はたった今解決したみたいですよ。それと降谷さんはこのままこちらへ向かうとのことで』
「え、零くん来るの?早く行かないと!風見さんダッシュ!行くよ!」
イヤホンにて、降谷さんからの連絡でこのまま来ると伝えた瞬間
焦り度MAXで夏音さんは自分の手を引っ張り店を出た
…降谷さんと電話つながったままなんだが
第四話「風見さんはボディーガード7」→←第四話「風見さんはボディーガード5」
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時