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第一話「二度目の逃避行2」 ページ3

正直、小学生あたりで二度目の逃避行を成功させるつもりで動いていたのだが近所に住むいわゆる幼馴染的存在に妨害されてしまったからだったりする



「彼」は29歳でかなり年の離れた幼馴染だがなぜか成立してしまう



「彼」こと降谷零はいろいろと大変な人生を送っているようだ



「夏音、おはよう」



ほぼ毎朝モーニングコールをかかさないお節介な年上幼馴染さん



『… ハロくん、おはよ』



私は、「彼」ではなく抱えられていた雪のように白い犬に話しかけた



ワンッと愛らしく鳴く犬ことハロくんは最近の癒しだ



『… ついでにおはよう、今朝は透くんスタイルなんだね』



「まぁな、今日は朝からポアロのバイトが入ってるから」



「それよりハロのついでに挨拶とは相変わらずだな」



「朝ごはん持ってきたからレンジ借りるぞ。その間にハロと遊んでいてくれ」



『… うん。 ハロくん、いつものやろっか?』



これは毎朝のこと



12年間、ほぼ欠かさずに行われている幼馴染の一人降谷零の私への生存確認だ



私が5歳のときに引っ越した先で出会った隣に住んでいたお兄さん



降谷零との出会いが憂鬱の転生生活に少しだけ色がついた瞬間だった



『… ねぇ、仕事忙しいのに来なくていいよ… あの日の誓いは… もういいじゃんか』



「誓い?ああ、ヒロと俺と夏音と交わしたあの約束の事か」



「夏音が自分のことを話した日からこれは変わらない」



「大体、俺がやりたくてやってるんだからお前は気にしなくていい」



『… 迷惑だって言ってんの』



聞こえるかどうか小さな声でつぶやいた



学校、勉強、人間関係、前の人生でさんざん嫌な思いをしてきたのに



「聞こえてるぞ… お前が迷惑がろうと俺は続けるからな」



「ほら、もうできるから皿を出してくれ」



『… はーい…』



私はハロくんと暫しの別れ(一瞬だけど)をして、渋々食器棚にいれているお皿を出して手渡した

第一話「二度目の逃避行3」→←第一話「二度目の逃避行1」



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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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