第四話「風見さんはボディーガード3」 ページ18
今から行く店の新作は紅茶らしい、彼女はよく紅茶を飲むから特に楽しみにしていたのが分かる
「そだよ、紅茶好きだからハンドクリームを。零くんにも買う」
「そうだ!せっかくだから風見さんも買って3人でお揃いにしようよ」
『え、いや…』
咄嗟に目を逸らしてしまう
流石にこの歳で匂い付きのハンドクリームを使うのは少し気が引ける
しかも紅茶の香りときた、控えめな物ならまだ良いのだが
「上司と同じ匂いがつくもの使うの無理なタイプ?」
違う…そういう問題じゃない…
『いえ、ただ降谷さんに怒られる気がして』
降谷さんとも気まずいが彼女が纏う香りと同じ物を使うなどと考えるだけでも嫌な汗をかいてしまう
「零くん、そんなことで怒らないよ」
「あ、まさか…私とお揃いだからとか言わないよね?」
『十中八九それです』
「うそ、ペーペーの私とお揃いだとダメなの?」
ぺーぺーって…彼女は時々ズレた発言しているが
実は、年齢を誤魔化していないか?と疑いたくなる
『そうではなくて、降谷さんは貴方とだけお揃いにしたいんですよ』
降谷さんの気苦労を今日何となく理解した気がする
「ふーん。そっか、よく分からない」
彼女は興味がなさそうに返事をして
棚に並んでいたハンドクリームを2つ、カゴの中に入れて他の商品を見るため歩き出した
まぁ、当の本人は降谷さんからのアプローチをどう感じているのやら…
第四話「風見さんはボディーガード4」→←第四話「風見さんはボディーガード2」
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時