第三話「嫌いな事と好きなもの4」 ページ14
ハムサンドを食べ終わって、あと少しでアルバイトの時間が終わる「彼」を待つ
「夏音ちゃんって安室さんの事どう思っているの?」
後片付け中の榎本さんがカウンター越しに質問してきた
『どうって…別に普通ですよ、幼馴染ですし』
『…まぁ、透くんがどう思っているかは知りませんけどね』
年齢差がありすぎるし、私の事なんて妹くらいにしか見てないだろう
『透くんは他のJKとか女性から大人気ですから…』
因みに、恋人がいるかどうかは知らないけどね
学校が終わり次第私がいる学校まで迎えに来ていたし、異性と連絡しているかなんていちいち確認したりしないから
「つまり夏音ちゃんは安室さんの事を好きじゃないってこと?」
『…正直いうと、よく分からないです。恋愛的な好きとか、嫌いとかって』
『LikeとLoveは…違いますからね』
好き…ね、今の私には縁のない感情だな
恋愛なんて、今更できるはずがない
生きてるだけでも辛いのに、相手の人生を奪うようなことをしてどうするって話
『まぁ、透くんは学生のころからモテモテでラブレターとかたくさん貰ってたらしいですよ』
高校卒業の時に、卒業生やら同級生やら後輩やら、女子たちに制服のボタンをむしり取られていたのを思い出した
『バレンタインの日なんて靴箱に入りきらないくらいのチョコレート貰ってて』
「え、その話詳しく!」
榎本さんの食いつきヤバいな…こういう話、好きなのかな?
第三話「嫌いな事と好きなもの5」→←第三話「嫌いな事と好きなもの3」
132人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時