第三話「嫌いな事と好きなもの3」 ページ13
それから30分経過
『はぁ…終わった、あってるかはともかく全部埋められた』
何とか無事、2枚分の数学の課題をやり切った
「お疲れ様、よく頑張りましたね」
「約束通り、好きなものなんでも作りますよ。ポアロで食べます?それとも帰ってから作りましょうか」
『…それじゃあ、特製ハムサンドが食べたい。透くんが作ってくれるので一番好きだから』
「分かりました。間食になるから夕食は少なめにしますよ」
『ありがと』
ズズーっと、アイスレモンティーを飲む
「彼」が作る料理で一番好きなもの、まぁ…正直言うと全部好き
元々、最初から料理がうまいワケじゃなかった
何故なら「あの人」が作ってくれた料理の方がずっと美味しかったから
でも、負けず嫌いな「彼」は料理もできるようになりたいという事で
「あの人」と一緒にキッチンで料理を作っていた
私はよく味見役として数多くの料理をたくさん食べさせられていて
色々と苦労したものだ
まぁ、「彼」は基本的には天才肌だからすぐコツを掴んでメキメキと上達していって
今となっては家の中でフランベとかするほどである
何に感化されたか知らないが時々高級なレストランで出てきそうなフルコース紛いの夕食の味見役になっているのだが
「彼」は一体、いつそんな店に行っているのやらと疑問に思ったりもする
警察官としての付き合いとかかな?
そんなことを考えていたら料理がやってきた
「お待たせしました、特製ハムサンドです。どうぞ召し上がれ」
時刻は17時過ぎ、中途半端な時間帯に普段であれば絶対間食を許してくれないが今日だけは特別に許してくれるようだ
一口、二口と口に運んでいく
ほんのりと温かいフワフワの食パンにシャキシャキのレタス
隠し味の味噌が入ったマヨネーズ
オリーブオイルを塗ってしっとりとしたハム
このハムサンドはお気に入りで、食欲がない時でもパパっと食べられるほど美味しい
合間にアイスレモンティーを飲んで口の中をさっぱりさせる
「クスッ、いつもながら幸せそうに食べてくれますよね」
『透くんが作るハムサンドは他の喫茶店とはレベルが違うから、当然だよ』
第三話「嫌いな事と好きなもの4」→←第三話「嫌いな事と好きなもの2」
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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時