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第三話「嫌いな事と好きなもの2」 ページ12

『ったく…教科書と睨めっこしても訳わからん』



計算式を確認しながら用紙に書かれた問いと向き合っているがまだ答えが解らない



シャープペンシルをくるくると回しながらドリンクが来るのを待つ



数学以外の教科ならまだ理解できるのに



いくら勉強しても数学は嫌いのままだった



頭が良い彼に時々教えてもらっているのだが…



「お待たせ、アイスレモンティーどうぞ」



カウンター越しに冷え冷えのアイスレモンティーを渡してくれた



「それで、あと何問なんですか?」



『…2枚合わせて15問ほど』



「ほとんど進んでないじゃないですか」



『…単純な計算なら解るけど、公式とか訳わからないんだよ。もう答え教えてってば…ギブ』



集中力が切れかかり、グターっと項垂れるようにカウンターに顔を伏せる



「仕方がないな…」




そういうと「彼」は呆れながらもニコッと笑う




「課題全部できたら、夏音の好きなものなんでも作りますよ」



「もちろん、どんなものでもね」



キランっと効果音が鳴りそうな爽やかスマイルを私に向けてきた安室透モードの「彼」



…好きなもの、か



『ど、どんな…ものでも?』



顔を上げて、念のため聞き返してみる




「えぇ、何ならポアロの中からでも構いませんよ」




『……分かった、もうちょい頑張ってみる』




「よしよし、その勢いですよ。頑張って」



再び、教科書と睨めっこしながら用紙に書かれた問題を解くための公式を探す




『…これじゃない…ここの式は、次のページか』



ひとつひとつ、確実に問題を解いていく



『…違う、さっきの式と同じやつか』



右往左往しながらも、好きなものためにと



さっきとは違い、気合を入れ直して取り組んだ

第三話「嫌いな事と好きなもの3」→←第三話「嫌いな事と好きなもの1」



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作者名:クラウ・ソラス | 作成日時:2023年8月5日 22時

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