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第一話「二度目の逃避行１」 ページ2
…気付いたときは動いていた
足が、勝手に、自由を失ったように、ただ
電車が来る、ホームへ向かってゆっくり、歩いた
そして
迷いや不安は、簡単に消え去っていった
25歳の夏、当たり前すぎた日常のある日のこと
私は、電車に轢かれてﾀﾋんだ
解放への逃避行、それが私の最後の願いだった
残業が毎日の仕事からの解放
同僚が辞めていく中ひとり残って働いた
まぁ、今となってはもうどうでもいいことだ
なぜならば、もうﾀﾋんだのだから
私の人生は終了した、ゲームセットだ
そう、願ったのに、逃避行は失敗に終わったらしい
なぜなら、意識があるからだ
こうして、意識して、思考回路が回っているからだ
その答えはすぐに出た
私は、知らない人の子に生まれ変わったのだ
知らない人は「母」というとてもキレイな女性だ
私の手はすごく脆いようだ、すぐに壊れてしまうなと思った
二度目の人生など必要ないと願っていたのにな…
人生とは早く過ぎるものだ
私は高校生になった
帝丹高校の二年生として今存命している
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作者名：クラウ・ソラス | 作成日時：2023年8月5日 22時
