未完成のPiece7【アイナナ】 (ページ34)

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ピコン、という電子音にスマホを見れば大和さんからのメッセージ。
無事にホテルにチェックインできたようで、
部屋の写真だけが送らてきた。

『彼なら大丈夫、私たちが必ず守るから。
じゃあ私明日にはイギリスに行くから』

「え、明日…？」

『あまり抱え込まないようにね』

それだけ伝えると逃げるように3階へと上がった。

それから明日、と言っても日付は既に今日だが、
出発するための準備を進め、
それが終わるころにはもう出発の時刻になっていた。

寮を出るために2階を見たが、
真っ暗で、今までのように三月さんの部屋から騒がしい声は聞こえなかった。

バイクに跨り、空港へ走らせた。
下道で向かっていたが、
もしかして大型バイクの方が早いのでは…
なんて考えているとすぐに空港についた。

『起きてる？』

空港へ着き、早々に電話をかけると、
数コールで彼は出た。

「…寝てる」

そうつぶやくユキはとてもだるそうに答えた。

『今日は大和さんと会う予定ある？』

今日撮影がある、と話していたが、
もしかしてユキも出ているドラマではないか、
と予想したが、それはあっていたようだ

「…会うけど。それがなに？」

『大和さんが家出した』

「は？」

今まで返事が数テンポ遅れていたが、
大和さんの単語を聞いた途端すぐに返事が返ってきた。