未完成のPiece7【アイナナ】 (ページ33)

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『行くって、どこ行くの？』

「んー、ビジネスホテルとか。
まぁ、路上では下手しても寝ないから安心してよ」

『…ビジネスホテルについたら部屋の写真送ってね』

「俺ってそんなに信用ない？」

『心配なの。じゃあ、気を付けて』

大和さんと別れ、
また寮に向かって歩く。

先ほど購入したイギリス行きのチケットを眺める。
…春樹、どこにいるの？

当然春樹の居場所なんてわからない。
だからまずは春樹と話した中で話題に上がった国や地名に片っ端から探してみようと思う。
…それで間に合うのかは分からないけれど。

寮につき、上を見上げると、
2階の電気は4つしかついておらず、
なんだかさみしく感じだ。

三月さんも出ていったのかな…、
てことは一織もついてったのか。

そんなことを考えながら二階へ上がると、
見覚えのある双葉が付いた影が見えた。

そのままスルーして3階に上がろうと思ったが、
彼の声によってそれは止められた。

「こんな時間まで何してたの？」

『…さっきまで大和さんと話してた』

大和さんという言葉に、
お兄様の双葉がぴょこん、とはねた。

「大和さんに会ったの？」

そう話すお兄様の表情は、
とても苦しそうで、
あの倒れた日と重ねてしまった。