未完成のPiece7【アイナナ】 (ページ19)

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あれから数日経ち、
学校も何とか1日居れる日も多くなった。

もちろん、嫌がらせは引き続いているが。
どちらかというとそれにも耐性がついてきたのかもしれない。

やっぱり慣れなんだな、なんて考えながらぼーっと授業を聞いていた。

今日も退屈な学校が終わり、
お手洗いを済ませて早く教室に戻って帰ろう、
そんなことを考えながら廊下を歩いていた。

「流石にそれはマズいんじゃない？」

「へーきへーき、アイツなら金持ってんでしょ
ほら、そっち持って。」

そんな会話が耳に入った。
嫌な予感がして速足で教室に向かう。

「せーのっ」

ドアが開くと同時に、
バンッ、と鈍い音が鳴り響いた。

目に入ったのは、木片。
身に覚えのある、茶色くて、
綺麗にコーティングされていた、
＿＿春樹のヴァイオリン。

『返して、そのヴァイオリン』

それからの記憶は正直曖昧だった。
ただがむしゃらに走って、
ただいまも言わずに3階の自室へ飛び込んだ。

涙が止まらない。
これが悲しさの涙なのか、
怒りの涙なのか、
悔しさの涙なのか

そんなこと考える間も無く涙が流れ続けた。