未完成のPiece7【アイナナ】 (ページ15)

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目的地について早々万さんにお礼だけ伝え、
一足先に会場へ向かう。

MEZZO"の2人はアイナナちゃんたちと一緒に入るそうなので、
先に行く、と伝えると万さんがすごく寂しそうな顔をしていた。
慣れてるから心配しないで、とは言ったものの、
…なんであんなに心配性なんだろうか。

『お久しぶりです』

「やぁ、Aちゃん。元気かい？」

『ええ、おかげさまで』

今までパーティーなんて何百回出てきただろうか。
あくびが出そうなほど慣れた挨拶を淡々とこなしていた時だった。

『あ、すみれさん』

ソロシンガーの花巻すみれさんを見つけ、
声をかけようとしたら、あからさまに避けられた。

いや、別に元々特別仲がいい訳でもなく、
どちらかというと一方的に嫌われているが正しいかもしれない。
…何か嫌われること、したっけ？

そんなことを考えていると、
聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「あー！A発見！
ユキ、早く行くよ！」

「本当だ、今日もかわいいね」

「ちょっとこういう場所で走らないでください…！」

『…あ、ユキとモモ』

考え事をしていたせいか反応が遅れてしまった。
この2人、毎回異様に痛いところをついてくるが。
今回はスルーしてくれるだろうか。