未完成のPiece7【アイナナ】 (ページ1)

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声とともに周りからは一定のリズムを拍手で刻んでいた。
アンコール、久々の響きだった。

『ダメですよ、これから主役の時間なので。
主役に時間使ってあげてくださいね』

えー、と会場から声が上がる。
みんなと会話するこの感じ、久々だな…。

懐かしいと思いながらも
次があるので早めに袖にはけた。

「どうだった？」

一番に迎えてくれたのは万さんだった。

『…楽しかった』

「よかった」

そんな万さんの後ろからはぞろぞろとアイナナちゃん、
TRIGGE、Re:valeが出てきた。

「A…ずるい、こんなの聞いてないよ！」

『サプライズ、どうだった？』

「オレ、超ウルトラハッピーだよ」

『知ってる』

私の番が終わっても、
この胸の高まりは収まらなかった。
…まだ、ステージにいたい。

『一織、一瞬だけ借りるね』

「あ、ちょっと…」

無理やり一織を廊下へ連れ出した。

『もう、タイムオーバー…？』

「一応そうなりますね。
まぁ、未回答のままですが」

『私を、もう一度あのステージに出してください。
…メドレーの伴奏、弾かせてください』

頭を下げたので、一織の表情は分からなかった。
ただ、はぁというため息は聞こえた。

「元々私は貴女に演奏していただく予定でしたので」

『それじゃあ…』

「音響の方に伝えてきます。
…よろしくお願いします」

『ありがとう』

モモ、私も今超ウルトラハッピーだよ。