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あれからどのくらい走ったのだろうか。
捻挫した足を庇いながら走ったので、
いつもよりも疲れが勝っていて、
口からは血の味がした。
…あの家を飛び出した時以来の味だった。
事務所から飛び出せばマスコミが囲んできたが、
カメラを壊したことを思い出したのか、
顔を見てすぐによけていった。
今私が歩んでいる道は本当に正しいのだろうか。
「Aさん?」
聞き覚えのある声に振り向けば、
今を時めく大人気グループ、
TRIGGEのセンター。
『天、さん…』
「どうしたの?こんなところで」
『あはは、お散歩…的な?』
まさかこんなところで天さんと会うなんて。
しかも前回見たのが怒ってるところだったし、
なんとなくきまづい。
「…本当に高校生なんだね」
『え?あぁ、制服?』
「うん、初めて見たかも。」
『そうだっけ?』
あぁ、どうしよう。
なんて話したらいいのかわからない。
「この後時間大丈夫?
ちょっと話さない?」
『え、あ…うん』
私、A、現代の天使に捕まりました。
その辺の公園のベンチに腰を掛け、
ぼけっと空を見ていると天さんが口を開いた。
「最近、どう?」
『普通だよ。
少しづつだけど、お仕事ももらえるようになったし』
「歌、もう歌わないの?」
一番聞きたくない言葉が、
胸に刺さった。
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ReePhantom(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございますー!採用です!これからもよろしくお願いいたします( ˙ᵕ˙ ) (12月23日 0時) (レス) id: 66b1ea99d0 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - 芸能界という、決してきらびやかなだけではない場所で、それでもいちアーティストとして咲き誇ろうとする主人公ちゃんにはぴったりだと思います!!是非、ご検討よろしくお願いします! (12月19日 18時) (レス) id: 8f46fba205 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい - いつも楽しく拝読させていただいております!"お願い"の件なのですが、ウ.ォ.ル.ピ.ス.カ.ー.タ.ーさんの「泥中に咲く」はいかがでしょうか?→ (12月19日 18時) (レス) id: 8f46fba205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年12月17日 1時